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三者面談

翌日は終業式だった。

慌ただしかったが、先生も頑張ったようで成績表は今日の午後から始まる、三者面談に間に合わせたようだ。


と言うのも終業式始まって一発目の三者面談が僕だったのだ。



「どうぞお入りください」

親もいるためか、山根先生もいつもより真面目な雰囲気を帯びている。

教室に入ると真ん中の辺りに2つの机が横に連なり、もう2つの机がそれに対面するように少し間を開けて並んでいた。


手前の机の席に座るように促されたため言われたとおりに座る。

隣にはお母さんが座っている。

「まずは今期の成績表です。時間をとりますのでしっかりご確認ください」

先生がすごく真面目だ。

三者面談は何気に中学3年の時にやっただけで経験が少ないためあまりなれていないが、先生が真面目なことが気になって緊張はなかった。


「今回の期末テストは入試の時並みに良かったですね。さすが入試一位といった感じです。

お伝えすることは他にはなにですが、何かご質問はありますか?」

「いえ、特には」

「大丈夫です」

「それではこれで面談を終わります。ありがとうございました」

「ありがとうございました」

教室を出たとき廊下で待っている凛花と凛花のお父さんに目があった。

一応会釈をしてそのまま学校を出たのだった。



「お待たせしました。どうぞお入りください」

「失礼します」


「こちらが今期の成績となります。時間を取りますのでじっくり目を通してください」


「中間テストの時よりも比較的に点数が上がっています。この調子でいけば難関の大学も推薦で進学出来そうです」

「先生、私進学はしません」

少し困惑したように親の方を向く。

「突然すみません。縁故で良い職場がありまして、そこで働きたいようで」

「・・・・・・そうですか。縁故ということでしたら、勉強もそうですが、職場の方と今から仲良くなっておくと後が楽と縁故就職した友人が言ってました」

「わかりました」

「他に何か質問はございませんか?」

「はい」

「それでは面談を終わります。ありがとうございました」

「ありがとうございました」



いつもの公園ではなく学校のグラウンドに止めた車で数分待つと凛花とそのお父さんがこちらに歩いてきた。

お母さんが車から降りたため、僕も車を降りる。

「すみません。いつもお世話になってます」

「こちらこそ、いつも手伝ってもらえて助かってます」

「すぐに仕事に行かないと行けませんので、娘をお願いします」

「はい。あ、そうだ。今度時間があるときはうちで夕食でもどうですか?」

「良いんですか?機会があればぜひ」


出来れば僕がいないときにやってもらいたいものだ。

そういうときは決まって子供が一緒にいたら気まずくなるような話をするんだから。

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