テスト返し
今日の時間割りは変則的なものとなった。
まあ、10個のテストを一日で全て返却、間違いがないか確認しなければならないためしょうがないことだった。
まず、午前中に全てのテストが一気に帰ってきた。
それを間違いがないかを確認し、午前中までに先生に言わなければならない。
先生も生徒もバタバタした午前中だった。
◆
「今日は忙しかったね」
「総合点は?」
「それは帰ってからね」
いつも通り弁当を一緒に食べる凛花に総合点を聞くが、家まで言うつもりはないらしい。
「でも、そんなにすぐに聞くってことは悪くはなかったんだね。良かった、良かった」
スッゴい余裕そうだな。
でも、今回はさすがに勝っていると思う。
◆
午後からは先生が急いで作成したテスト結果をまとめた用紙を配られ、それぞれが間違いがないかを確かめた。書いてあるのは各教科の得点、各教科の平均点、10教科の平均点、総合点だ。
総合点を暗算で求めた意味がなかったが、お昼に勝負すると思っていたので仕方ない。
そして、順位だが・・・・・・・・・
嫌な予感がする。
「今回はこれまで息を潜めていた奴が、急に良い成績をとったが・・・・・・残念ながら圧倒的な1位は越すことが出来なかったようだな。皆、油断せずに勉強をするように。
今日はこれで放課。解散して良いぞ」
・・・・・・僕の順位だが、2位だった。
そして、確実に先生の言った人は僕であり、圧倒的1位というのは隣でこちらを見てニヤニヤしている凛花のことだろう。
とりあえず何も聞かずに家まで帰ってきた。
「それじゃあ、結果発表いく?」
「何となく察しはついてるから良いよ」
「あ、不利になった瞬間ゲームをやめるタイプの人だ」
「今までそんなことしたことないだろ?」
「今回のもゲームみたいなものでしょ」
はぁ、気は乗らないけどするしかないか。
「何点だったの?」
「950点」
たっか!
10個のテストだから最大1000点なのに950?
おかしいだろ。計算上は全教科5点ずつしか失点していないことになる。
「僚太くんは何点だったの?」
「900点」
「お~高いじゃん」
嫌みにしか聞こえない。
本心で言っているのは何となくわかるけど。
「でも、これで教えてても点がとれることの証明になったね。ということで次のテスト期間も頑張ろうね」
どうやら勉強地獄は定期的に訪れるようだ。
今回は途中から結構脱線することが多くなっていたため次もこれくらいか少しやさしめであってほしいと願うばかりであった。