家でも真面目に・・・・・・
昼食を終わった後ゴミはレジ袋にまとめ、勉強を再開することになった。
午前中とは違い勉強の方も集中出来た。なんか、テスト前に詰め込んでもう大丈夫だと何故か確信できるあの時と同じくらいの自信がある気がする。
まあ、前者の方は思い込みに過ぎないが、その自信と同じくらいのものを今の時点で持てているということは僕にしてはほぼ初めてに近いことだ。
入試の時も勉強していたがそんな自信を感じることはなかった。
◆
「そろそろ帰ろっか」
「そうだね」
夕方らしいオレンジ色の空になった頃、帰ることになった。
「明日もここに来る?意外と良かったよね?」
「確かに・・・・・・あれ?ここに来たの初めてだったの?」
ここには凛花の案内で来たはずなので初めて来たわけではないと思う。
「僚太くんにあだ名付けた子がいたでしょ?その子に教えられたんだ。良い場所があるって」
この辺出身だったのかな?
「真面目そうだったしこういうところも知ってたんだろうね」
「それ、私が不真面目だから知らなかったって言ってるように聞こえるよ?」
この聞き方はまずい。このまま追い込まれて何でもお願いできる券を要求されるやつだ。
「そうじゃないって。それにこの辺に住んでないとこの公園があること自体知らないだろうし」
「そこは正直に私が不真面目だって言えば良かったのに」
「いや、学校では真面目だし」
そう、学校『では』真面目なのだ。
「言ったなぁ。そんなこと言うなら家でも真面目でいるからね?」
「別にそれでも良いよ」
僕がそうお願いしているわけではないし。
「じゃあ、帰ったらまず手荒いうがい、後歯磨きを忘れないでね。それと夜更かしはダメだよ。あと、朝は起こしに行くからそれで起きてね」
ま、真面目ってそういう真面目?
なんかもう少し違うのを想像してたな。
「それは辞めてください」
ただ、そこまで縛られるのことに拒絶感を持ってしまった。
大体は毎日ちゃんとしていることだったが、それを強制でやれと言われるとなんというか嫌なのである。
「やっぱり、今まで通りの方が良いでしょ?」
た、確かに。
凛花が初めに提示した方は嫌だったが、よく考えてみれば学校での真面目な凛花が家にいるのはそれはそれで居心地が悪い気がする。
「・・・・・・」
「ねえ、どうなの?」
「・・・・・・いつもの方が良い」
なんか恥ずかしかったが素直に言うことにした。
無視してたらまたあの何でもお願い出来る券を要求されてしまう可能性がある。
こうして家まで帰っていったのだった。