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放課後もいつもと違う 2

結局最後まで隣にいた凛花と共に自転車置場に行く。

今日はまだ貴史がいなかったため少し待つことになる。

「なあ」

「ん、どうしたの?」

「どうして僕に近づこうとするの?僕は告白を断ったのに」

「なら、私のことを好きにさせるまでだよ」

なんだろう、悪質なストーカーみたいなこと言っているのにそうは見えない。

だって言っているのがクラスのマドンナという容姿を持ち、さらに純粋にそう思ているのが伝わるような真っ直ぐな目をしているからだ。

「僕よりも他の人の方が良いと思うよ」

「それはない」

断言しやがった。多分クラスの男子がこれを聞いてたらとりあえず半数は膝をつくのは確定だな。

「どうして僕にこだわるの?」

「それは・・・・・・」

「あ、ごめん、待った?」

「いや、そんなことないよ」

貴史が絶妙なタイミングで来たため聞くことが出来なかった。

「立花さんも一緒だったんだ」

「すみません。お店が休みなので木曜は帰りもお邪魔します」

「いえ、僕も乗せてもらってる側ですから」

なんだろう、さっきのを聞き出せなかったからかモヤモヤする。

「今日はお母さんが迎えに来るだろうから早く行こう」

「ああ、そっか。今日は木曜日だったね」

「どういうことですか?」

「あー、僚太の家に行ってみたら分かりますよ。寄ってみたらどうですか?行けばすぐにわかるので」

「そうしてみます」

一瞬住んでいると言ってしまわないかヒヤリとしたが言わなかったため一安心だ。


裏門から出て公園に向かうと迎えはもう来ており予想通りお母さんだった。

しかし、何故かこちらに気づくと車から降りた。

こちらに歩いてきて、

「貴史君ちょっと来てくれる?」

「あ、はい」

貴史は走っていき僕は不思議に思いつつも歩いていく。


車の方に歩いていくと、

「了解しました」

丁度話が終わったのか貴史の同意の声が聞こえてきた。

「どうしたの?」

「あ、いや、ちょっとね」

なんだかはぐらかされたがとりあえず帰ることになる。

朝と同じように僕と貴史が後部座席、凛花が助手席だと思っていたのだが貴史が自ら助手席に乗っていき必然的に後部座席が僕と凛花になってしまう。


「シートベルトした?行くわよ?」

その言葉と共に車が動き始める。

「また隣だね、僚太くん」

なんだろう、少し煽られている気がするのは気のせいだろうか。

「うん」

そう答えながら鞄を開き本を取り出す。

「え?車の中でも読むの?酔わない?」

初めて見る人は大体こういう反応するんだよな。

「大丈夫」

それだけ言い本を取り出す。

「こいつ中学の頃はどこでも読んでましたからね。気にしなくて良いですよ」

「どこでも・・・・・・例えばどんなところですか?」

凛花が尋ねると貴史は少し悩む。

「一番驚いたのは修学旅行の時に僕との二人部屋だったんですけど、今日は全然読書できなかったからって小さい明かりつけて徹夜で読んでいたのですかね」

「そうなんですね」

「結局修学旅行中に6冊位は読み終わってましたね」

「そんなに、凄いな~」

こういった感じで僚太は会話に参加せず貴史と凛花の会話が続いていた。



家の扉を開けると、

「くぅ~~~~~」

悔しそうなお父さんの声が聞こえてきた。これは爆死でもしたかな。

今日はお父さんがはまり僚太もその付き合いでやっているスマホゲーム「パズルレンジャー」通称パズレン。強いキャラでパーティーを組んでパズルをクリアする大人気スマホゲームだ。

魅力はなんと言ってもガチャで良いキャラが手に入らなくてもパズルの技術があればクリアできるという点にある。それで収益が出るのかと思うかもしれないがこのゲームのキャラクターデザインはどれも神がかっており1キャラにファンがついたりするほどである。

どのガチャにも出る恒常キャラにまでファンがつくほどで期間限定のキャラなどには相当な数のファンがいる。そして目玉はコラボが定期的にあることだろうか。そういえばもう少しで5周年だった気がする。


ご察しのとおり僕もハマりかけている。

家に入るとお父さんが椅子に座り頭を抱えながら机の上においてあるスマホを見ている。

これはガチめに欲しかったキャラを引けなかったな。

「お父さん引けなかったの?」

一応聞いてみた。

「ああ、うん」

すごくしょんぼりしてるな。とりあえず触れないようにしよう。

そう思い自分の部屋へ向かい入ったのだが、

「なんでついてきてるの?」

凛花が当然のように入ってきた。

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