海の日 2
そして昼食の時間になった。
お母さんはパートでおらず、お父さんも店におり、そこで済ますため必然的に二人で食べることになる。
「どうする?」
「私が適当に作ろうか?」
「さすがに全部任せるわけには・・・・・・」
同級生に全てやってもらうのはなんというか心苦しかった。
「じゃあ、一緒に何か作る?初めての共同作業」
「一緒に勉強してたんだから初めてではないだろ」
この際カップルみたいな言い方に関しては触れないことにした。
◆
あれから昼食にはチャーハンを作り二人で食べてから、勉強時々パズレン等を挟みながら時間は過ぎていき、夕方となった。
「そろそろ、終わろっか」
その凛花の言葉に僚太は一気に体を伸ばし力を抜く。
そんな様子が面白かったのか凛花は笑っている。
「テスト明後日からだね」
「そうだったっけ?」
「そうだよ。もしかして覚えてなかった?」
正直に頷く僚太。実は全くテストがいつからかを知らなかったのだ。
それも当然、いつもはそのテストの当日の朝、学校で少しやって欠点は回避するということをやって来た僚太にとってテストの日はその当日に知ったところで問題はなかったのだ。
前回の中間考査の時は貴史が行きの車の中で勉強をしているところを見て気がついた。
その日に出さないといけない課題もあったがそれは貴史に教えてもらい行きの車のなかで仕上げた。
「これは、何でもお願いできる券をもう一個貰わないといけないかな?」
「何でそうなる」
「だって、私の住むところが関わるテストだよ?それなのにいつからか忘れてたなんてひどくない?」
それに関してはあの契約書がぶっ飛んでただけだと思うのだが・・・・・・・・・
「・・・・・・確かに」
ただ、その契約書を見せられてそのテストの日を知らないなんてひどいと我ながら思う。
「これで、4回分だね」
あれ?そんなにあったっけ?確認してみると、
「遊園地ので1回でしょ?後、宿で2回分あったでしょ?それに今回のを足して4回」
あれ?一度デートの延長に使った気がするのだが。
「遊園地のはデートの延長で使っただろ?」
「私はある、とは言ったけど、使うとは一言も言ってないよ?」
してやったりという顔の凛花。
記憶は定かではないが、確かに使うとは言われてない気がする。
「・・・・・・まじか」
その言葉しか出てこなかった。
「改めてデートを延長してくれてありがとう」
今そう言われると煽られているようにしか感じられない。
ただ、リフレッシュに連れ出してくれたお陰で楽しめたという面もあるためそのお礼にしたことだと思うようにしよう。
じゃないとやってられない。