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焼き肉

すごく遅れてしまいすみません。

2話投稿の予定でしたが一話にまとめました。

字数的には2話分あります。

『いらっしゃいませ~!』

店の奥からそんな声が聞こえてくる。

しかし、入ってすぐの所に店員はおらず2台ほどの受付の機械が立ち並んでいた。

「入っといてなんだけど、お金大丈夫なの?」

「う~ん、まあ今までほとんど使ってなかったからね。そう言う僚太くんは?」

今まで使ってこなかったって・・・・・・いや、触れないことにしよう。

「僕はまだお年玉が余っているから」

僚太も使っていないわけではなかったが、読書と並ぶ趣味のゲームがスマホでお金をかけずに出来るようになったことで金欠になることはなくなっていた。

といってもお年玉はそろそろ尽きる頃だが、月のお小遣いもあるためまだ余裕があった。

「へぇ~、本を買うためにほとんど使ってるのかと思ってた」

どんなイメージ持ってるんだよ!

それだと本に目がない奴見たいじゃないか。

まあ、お金が余っている理由は他にもあるんだけど。

「失礼な・・・・・・そんな見境無しには買わないよ」

何でまた信じられないみたいな目で見てるんだよ!

「本を買ってるとこ今まで見たことないでしょ?」

「・・・・・・そういえば確かに」

何でそんな本を買っているイメージがついているのだろうか。

実家が本屋だが、基本は中古で本を買うため一冊にかかる費用も安く済んでいるのだ。

何か裏切っていると見られるかもしれないが、それは個人の自由だと思うわけだ。



「どうする?ここ食べ放題もあるみたいだけど」

「私たちでもと取れるかな?」

「僕は一人分いけるかどうか位かな」

「私は一人分いけるか微妙」

文化部だけだとどうしても食べられる量が限られてくるため食べ放題はやめることにした。

受付を済ませるとすぐにテーブルに案内された。

珍しいことにここは回転寿司の要領で肉が回ってきてそれを焼いて食べるという方式がとられている。

これはあまり外出しない僚太の意見のため参考にはならないが。

それぞれテーブルを挟んで向かい合うように座るとテーブルにおいてあったタブレットを凛花が操作し始める。

「何を頼む?」

「それは鶏肉でしょ」

僚太が即答したことに少し驚いた凛花であったが、鶏肉を注文する。

「他はどうする?」

「何でも良い?」

「え?」

凛花が驚いた理由としてはまず、珍しく即答で答えたこと、かと思えばいつも通りにすぐに戻ったことにある。

「鶏肉以外はどんぐりの背比べでしょ」

「それはまた極論だね。でも、まあ私も鶏肉が一番好きだし。鶏肉パーティーにしよ」

「別にそこまでしなくても・・・・・・」

「あ、でも野菜は食べてね。それには気を付けるように美奈子さんから言われてるから」

何でそういう指示までしてるかな・・・・・・

「そんな嫌そうな顔しないでよ。好き嫌い多いのは直さないと将来困るよ?」

僚太の嫌いなものの大半は野菜である。

逆に好きな野菜はほとんどなく、普通か嫌いかのどちらかになっている。

僚太が特に嫌いなのは一部を除く根菜だ。

代表的な大根、ニンジンなんかも嫌いである。

ジャガイモは好きな料理もあるが嫌いなものもあるといった感じで大体の根菜が嫌いであった。

他にも色々嫌いなものはあるのだが、焼き肉に出てくるような野菜は特段嫌いなものはなかった。

しかし、前述した通り好きではないため言われなければ食べることはなかっただろう。

それを見越してのお母さんの対策だろうが、自分の行動を見透かされているみたいで少し嫌だった。

長年一緒に過ごしてきたため傾向から予測出来たのだろうなと思いつつ、初めに注文した鶏肉がレーンに流れてきて止まったため取る。

そして、トングに手を伸ばそうとするが凛花に遮られる。

「私がやるから僚太くんは見てるだけで良いよ」

「いや、でも」

「良いから良いから」



結局そのまま凛花が焼くことになり、隙を見てもう一つのトングをとろうとするが凛花のトングを持っていない方の手で伸ばしていた手を掴まれ阻まれる。

「取らせないよ」

いつの間にか勝負っぽくなっていたがお腹が結構膨れてくるまでトングを握ることは出来なかった。

「何か、最後にデザートでも食べたいね」

僚太はパッと凛花が見ているデザートのメニューを覗き、

「何でも良いよ」

「じゃあ、これにしようかな」

わざとなのか偶然なのかこちらに見えないように注文したため何を頼んだのかわからなかった。

「何を頼んだの?」

「秘密」

どうやら故意的に隠して注文したようだ。



しばらくして、テーブルに届いたのは杏仁豆腐だった。

「やっぱりさっぱりしたものが良いでしょ?」

「確かに」

肉を食べた後のためさっぱりしたものを食べたい気分だった。

「あれ?スプーンは・・・・・・?」

「あ、ここに」

少し隠れた位置にあったスプーンを見つけ出し、それを2本取りだし片方を凛花に差し出す。

「ありがとう」

それを受け取った凛花は早速杏仁豆腐を口に入れる。

「う~ん!すっごい美味しい。僚太くんも早く」

「あ、確かに」


その後、杏仁豆腐はすぐに完食し会計を済ませてお店を出たのだった。

最後の焼き肉店の杏仁豆腐が美味しいというのは実体験からきてます。

もう、どの店のことだったかも覚えてませんが

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