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昨日はすごかったね

「僚太くんは一人っ子で寂しくなかったの?」

「まあ、初めからそうだったから特に寂しいって感じることはなかったかな」

「兄弟が欲しいとかも思わなかったの?」

「特にはなかったかな」

「もしかしたら子供の時から陰キャの素質があったのかもね」

冗談のようにそういうが僕はそれは結構あってるんじゃないかと思う。

「そうかもね」

だからこそ中立ではなく賛同気味の答え方をした。



「え?もう寝ちゃうの?」

名残惜しそうに凛花がそう言うが今の時間は11時。

あれから色々と話している内にそんな時間となっていた。

「明日寝坊したらどうするんだよ?」

「まあ、良っか」

そう言いながら凛花は敷布団を引きずり僕の隣まで運んできた。

「何でそうなるんだよ?」

「一人では寝付けないから?」

「何で疑問系?それなら宿に泊まらないように日程をたてるとか方法あっただろ」

「だって一日って短いじゃん?それなのに帰ってたらもっと短くなるじゃん」

なんか急に哲学みを帯びた話になったな。

これはつまり僕が一日だけと言うのがいけないと言っているのか?

「今回だけな」

一日が短いなんて誰しも思ったことがあるだろう。

それが楽しい時間であればあるほどに。

今日は色々あったが、時間が短いと思える一日を過ごすことが出来た。

そのお礼もかねて今回だけは許すことにする。

しかし、その後で何でもお願いできる券と勝手に名付けられた券を使わせた方が良かったことに気がついた。券を使わせたらお礼ではなくなるが・・・・・・

「ありがとう」

この時はまだあの事に思い至ってなかった。

それを思い出したのは翌朝。事後のことであった。



あれからしばらくして凛花の寝息が聞こえてきた。

その寝息につられるように僕も眠たくなってきて目を閉じる。


翌朝、目が覚めると異変に気がついた。

もう一つの布団が自分から見て右にあること。昨日寝たときは左側にあったはずだ。

そして、何かに抱きつかれているような感覚。

寝起きの脳内では状況を整理するのでやっとだった。

「ん?あ、おはよう。昨日はすごかったね」

その声と共に抱きつかれている感覚がなくなったためそれが凛花によるものだったのがわかった。

昨日は凄かった・・・・・・?

何だ?全く記憶がない。

「覚えてないかもしれないけど私に襲いかかってきてたよ?」

襲う・・・・・・?

いや、そんなことするはず・・・・・・

寝ぼけて本当に?いやそれはない。

ないと信じたい。

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