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マジック?

「じゃあ、次はこのクエストやってみよ」

無料Wi-Fiを繋げられるため自由にゲームが出来るためか食事後はずっとパズレンをしていた。

充電コードも凛花が2本持ってきていたためスマホの充電も気にする必要はなかった。

「・・・・・・まだやるの?」

長い時間やっているため僚太は少し飽きてきていた。

「じゃあ、やめる」

なんかあっさり引き下がったな。

もしかして凛花も飽きてきてたのかな・・・・・・いや、声からはそんな感情を感じなかったからそうではなく普通に言われたからやめることにしたのだろう。

そして流れる沈黙に続けておくべきだったかと僚太が後悔し始めた頃、

「ねえ、これやらない?」

その言葉と共に見せられたのはオセロを始める時の盤面。

「ボードゲームなら旅館にあるんじゃなかったっけ?」

確か、そう聞いていたはずだ。

「スマホでオセロ出来るなんて知らなかったからやってみたくて」

「なにも変わらないと思うけど」

そう言いながらも凛花とスマホを挟む形で対面に座り凛花の初手を待つ。

凛花がワクワクとした感じで画面をタップするとそこに黒が置かれ挟まれた白が黒にひっくり返る演出が流れる。やはりボードゲームのオセロと変わりはないようだ。

僕が次の手を打とうと画面に指を近づけたとき違和感を感じた。

そのときはたまたまかと思ったがスマホの画面をよく見るとその違和感が必然だったことに気づいた。

これはボードゲームにはない機能だな。

そう思うと同時に普段は目覚めることのない僚太のイタズラ心が突然生まれた。



次の番の時はタイミングを確認するために凛花からは画面が見えないように手をスマホの上に出しておく。

3秒後に僚太が何をせずとも白が置かれ黒をひっくり返していく。

そう、僚太側はCPUだったのだ。

つまり、何をせずともコンピューターが全てやってくれるのだ。

僚太は置かれた場所を確認した後すぐにそこを指で押したふりをして手を引っ込める。

凛花はまだ気づいていないようで次の手を真剣に考えている。

考えながらも黒をおいた凛花に僕は仕掛ける。

どう頑張ってもスマホに届かない高さに手を出しタイミングに合わせて人差し指だけを下に動かす。

「あれ?いつの間に?」

凛花も違和感に気づいたようだ。

「マジックだよ」

そう、これが僚太の中で生まれたイタズラ心が発案したドッキリだ。

「え?どうやってやったの?」

そう言いながら凛花も試しているが全然スマホの画面が動く素振りは見せない。

そんな様子を見て心の中でニヤニヤする僚太だった。

注:こんなにイタズラは上手くいきません(笑)

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