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部活の後に

翌日、貴史は親に昼食を外で済ませ、その後友達と遊んでから帰ると伝えて家を出た。

別に嘘はついていない。

そう考える時点で嘘をついている自覚があるようなものだが、実際に嘘はついていない。

沙羅は友達だし、教えるといっても部活後であるため遊びのようなものだ。

友達が異性であるということを隠しただけだ。



沙羅は早起きをして弁当用のおかずを準備していた。

弁当箱は1つしかなかったためタッパーに入れて持っていく予定であるが、当然それは怪しまれる行為であり、

「どうしたの?タッパーなんか使って」

起きてきた母親に聞かれてしまう。

「今日は2人分持っていきたいから」

「久しぶりに自分で弁当を作るって言うから何かと思ったけど、そういうことね」

「うん」

沙羅はもう隠せないだろうと肯定する。

「それなら私は協力しない方が良いわね。頑張るのよ」

応援の言葉に少し安心してしまう沙羅。

これはドラマの見すぎなのかもしれないが、大体こういうときは親に一度は反対される。

そもそもまだ付き合っていないのだから親の賛同の前に貴史の賛同が必要である。

将来について考えつつ張り切って弁当を作るのだった。



部活は男女とも同じ場所でやることになっていたが、男子と女子で部活が分けられているため一緒に練習することは少ない。

今日も例外ではなく合同で練習をすることはなかった。

だからこそ、2人がそれぞれそわそわしていても他の人に感づかれる事はなかった。



そわそわしながらもそれぞれしっかりと昼まで部活をし、終わるとトイレやら何やらで時間を潰して皆が帰るのを待った。

これは沙羅の提案で皆にはバレないようにしていたのだ。

中学生の時はすでにバレていたため、それで弄られる事も多かったため高校ではそれを避けようとしたのである。

高校内でも話しかけないのもバレないようにする対策である。

バレる、バレない以前にまだ付き合っていないため関係性をバレないようにするというよりも、自身の好意をバレないようにしているのだった。



「皆中々帰りませんでしたね」

「そうですね」

2人が昼食を食べ始めるのは部活が終わって30分以上経過した後の事だった。

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