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旅行中に

翌日の朝、思わぬ事態が起こった。

凛花本人は大丈夫だと言い張っているのだが、明らかに顔色が悪い。


それでも、大丈夫と言って外に出ようとするため、一旦それは止めて自分だけでコンビニに行き、とりあえずゼリーと体温計を買い戻ってきた。



ピピッピピッ

すぐさま熱を計ってもらうと38度の熱があった。

よくこれで外に出ようとしたものだ。

「私、平熱高いからこれぐらい普通だよ?」

まだ、外に出るのを諦めてなかったらしい。

最後の悪あがきである。

ベッドで真夏なのに布団にくるまっている状態で言われてもなんの説得力もない。

もはや最後の悪あがきと言えるかすら怪しい位である。

「少なくとも今日は部屋から出るのは禁止。欲しいものがあるなら買ってくるから」

僕のやるべきことは明日までに凛花の体調が戻るようにサポートすることだ。

なにせ、明日は旅行最終日。

新幹線、電車等長時間の移動もある。

体調が悪いと余計にしんどいだろう。

「・・・・・・分かった」

不服そうであったが何とか納得してもらえたらしい。

「じゃあ、何かいるものある?」

「え?うーん・・・・・・スー、スー」

何がいるのか言う前に寝てしまった。

それほど無理をしていたのだろう。

とりあえず、近くのコンビニとか薬局とかで一般的なものを買ってこよう。


そう考えもう一度外に出るのだった。



慣れない街で1人で歩くのは結構心細いものだ。

凛花がいなくて初めて気づいた。

そもそも、1人だと旅行すら行かないであろう人間だから、旅行先では誰かとともに行動するのが、普通になっていた。

今までの旅行の経験で単独行動をしていたのはあのりんちゃんと出会った公園内だけだ。

それも公園内限定だったし、すぐにりんちゃんを見つけて一緒にいたため1人ということはなかった。

修学旅行では少なくとも班行動のため1人で行動することはない。



コンビニと薬局に行こうとしていたが、コンビニだけで事足りた。

まず、スポドリ、冷えピタ、風邪薬のよく見る風邪をひいた人への差し入れ類。

更に、お湯を入れるだけで完成する雑炊、先程とは違う味のゼリー、そして目に入ったフルーツポンチ。

思い付くものは大体買いそろえた。

コンビニがこんなに便利だとは知らなかった。

普段、自分から出掛けていなかったからコンビニによる機会も少なく、恩恵を感じることも少なかったのだろう。

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