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閑話 ゴールデンウィーク 3

話し合いの結果、連休に入る前の昭和の日の午後に会うことになった。


貴史の休日も丁度月曜日なのだが、彼としても、さすがに休日丸1日時間を貰うのはダメだろうと考えた。

それはまあ、良いとして問題は何をするか、だ。

こんなに順調に日程が決まると思っていなかったため、まだ考えていなかった。

そのため、一旦集まってから何をするか考えようということになり、話がまとまった。



そして、会う約束をした当日となった。

未だに何をするか決まっていなかったため貴史は勉強道具とラケット、ボールを持って隣町まで来ていた。


「お待たせしました」

「そんなに急がなくても良いですよ。私が勝手に早目に来て待っていただけですから」

貴史が駅から出るとすぐに沙羅の姿が見えた。


「今日はどうしますか?」

「それ、ラケットですよね?私もいるかも、って思って持ってきてますよ」

この時、沙羅は勉強道具も持ってきていたのだが、その事を隠すことを決めたのだった。

そして、この流れでテニスコートに行きテニスをすることになった。



部活後であったにも関わらず、2人でラリーをして、それぞれの後衛、前衛の練習を手伝い、2人で部活のようなことをしていた。

そして、

「試合、しますか?」

普段ダブルスをしているためそれぞれコートの右半分だけで試合することを提案する。

いきなりシングルスだと感覚なども異なってくるだろうし、部活の後にやるにしてはハード過ぎる。

貴史の提案に沙羅も快く了承する。


こうして始まった試合は大接戦となり、決着がつく前に休憩ということになった。



「やっぱり部活以外でするテニスって1番楽しいですよね」

貴史は会話のきっかけに話題を1つ持ち出す。

部活がきっかけでテニスを好きになったが、集団で動く部活では思うように練習や試合ができなかったりする。

その点こういう部活以外の場面でするテニスは自由だ。

強いて言うなら後2人欲しい所ではあるが、2人いれば大抵の練習は出来たりする。

「そうですね。でも、部活の後にこれだけ動くのは久しぶりです」

「すみません、付き合わせちゃって」

「つきあ・・・・・・」

貴史の発言に沙羅が口ごもる。

「どうしました?」

「な、何でもないです。それと、私も楽しいですよ」


何てことない一言に貴史は以上な喜びを覚えるのだった。



時間はあっという間に過ぎていき、

「今日はありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました。あの、駅まで送っていきますよ」

沙羅からの突然の申し出に戸惑いながらも貴史は断る。

「良いですよ。道は分かりますから」

「えっと、じゃあ送らせてください」

前回のホワイトデーの時は冗談だったが、今回は冗談ではないらしい。

「わ、わかりました」

あまり聞いたことのないお願いに戸惑いつつもまた、断るのは悪いと貴史は了承して、駅まで2人で歩いたのだった。

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