旅行先での夕食 2
「また、それにするの?」
「うん、美味しかったし」
僕は一昨日と同じスッパーガーを選んでいた。
それにするの?と言いつつ凛花も同じものを選んでいるため人の事は言えないと思う。
例え、出来るだけ僕と同じものを食べるようにしているのだとしても。
僕がスッパーガーを選んだ理由は美味しかったの他にもう1つある。
それは、迷いたくなかったからである。
こういったお店のメニューって嫌いなものが入っていない限り美味しくないものはない。
だからこそ全国に広まっているのだ。
そして、種類も多い。
自分の嫌いなものが入っていないバーガーに絞っても選びたい放題である。
僕の嫌いなものに数多くの野菜がラインナップしているが、バーガーに入っている野菜には何かしらのソースがかかっているため食べることが出来る。
ちなみに、バーガーが包まれた袋の中でバーガーからはみ出して出てしまった野菜は中心から遠いためか、あまりソースがかかってないため食べる気にはならない。
そんなことはどうでも良いとして、メニューを見て迷う前に知っているものを頼むのがその後、こっちも食べてみたかったとならない秘訣である。
自分から外食には行かない僕だからこそ、そういう後悔をしないための策を考えているのである。
「確かに美味しかったよね。僚太は酸っぱいもの好きなんだね」
「酸っぱいものもそうだけど、辛いのもそれなりには食べれると思う」
「じゃあ、帰ってから激辛の何か作ってみる?」
いきなり怖いことを言い出した。
確かに1度は激辛と言われるものを食べたいとは思うが、それは好奇心である。
食べきれないと困るため中々手が出せないというのが、実際の所である。
「凛花は食べれるの?」
「食べれないよ?」
当然という風に答えられる。
つまり、僕が音をあげても助けてくれる人はいないということだ。
「遠慮しときます」
好奇心があるとは言うものの作ってくれる程度では食べられない可能性がある以上、好奇心が勝ることはない。
これが、僕が食べられなくても凛花が食べられるということであれば、ありがたく食べたかもしれない。