明日の計画 2
結局、昨日の朝がおかしかったのかもしれないという曖昧な答えだったが、それで納得するしかなかった。
正確な答えなんて出せない。
そもそも、何故あの日だけ凛花よりも早く起きたのか。
考え始めると一番初めのそこから疑問が出てくる。
だから、考えないことにした。
◆
「明日、どこ行く?」
この旅行中で定番になりつつある明日の計画作り。
ホテルに帰ると即行で始めた。
「凛花は兵庫県と言えば、みたいなの思い付かないの?」
「え?まあ、思い付くのは明石市位かな?」
「なんか、聞いたことあるかも」
凛花の言う明石市、聞き覚えがあるような気がするのだが、全く思い出せない。
「日本の時間の基準地点だよ。東経135度で決まってるって習ったでしょ?」
そういえば、そんなこともあったかもしれない。
おそらく、中学の範囲だし、高校入試の前には覚えていたのだろうが、そこからまた、勉強をしない生活に戻っていたため忘れていたのだろう。
僕は以外と短期間の記憶力は良いため、単元別の小テストなんかでは結構いい点を取ったりする。
その代わりに中間テストや期末テストといった、勉強してから時間がたっている範囲が入るテストになると点数はガクンと下がる。
これも、勉強をしなかったから分かることだ。
そう、開き直っていたのだが、凛花がいるとその開き直りをする機会は訪れなさそうである。
「じゃあ、そこら辺で何か探そうよ」
「博物館があるみたいだよ。その中に海鮮が食べられるレストランがあるんだって」
何となく良さそうな所である。
どんな博物館なのかは知らないが、せっかくの機会だし行ってみることにしよう。
「良いね、他はどうする?」
また、その場で決めようという感じになるかもしれないなと思いつつ聞いてみる。
「天文科学館もあるみたいなんだよね」
博物館と科学館か。
なんというか系統が同じような気がするが、今回は初めて旅行らしい計画になっていると思う。
食べる場所も決まっていれば、行く場所も決まっている。
時間があまり過ぎることもないように感じた。
「そこも行こう」
「じゃあ、決定だね。予定も決まったことだし夜ごはん食べに行こう」
そういえば、まだ食べてなかった。
「マ○ド行く?」
「また?」
僕の提案にそう言う凛花であったが、結局またマ○ドに行くことになったのだった。