太陽公園へ
「コンビニのおにぎりの包装って誰が考えたのかな?普通に凄くない?」
凛花がその凄いと言っているおにぎりの包装を開けながら言う。
確かに、海苔とご飯がつかないようにしているにも関わらず開けるとしっかりおにぎりになる。
「確かに凄いね」
そんなところに目を向けたことがなかった。
今までも当たり前のようにおにぎりの包装を開けてきた。
塩むすびは海苔がないため別であるが、塩むすびだけを食べてきたわけではない。
そして、凛花にそう言われていた間にもツナマヨおにぎりの包装を開けている。
なんと言うか自分の視野が狭いなと感じた瞬間だった。
◆
今日も昨日と同じように電車で姫路駅に。
そこからバスでの移動となった。
「あのさ、腕組まなくても・・・・・・」
バスに乗り座った途端僕の右腕はがっちりホールドされた。
「別に良いでしょ?これなら」
他に何をしようとしてたんだ?
恐ろしくて聞けない。
それよりも、りんちゃんという逃げ場がなくなった僕はただただ耐えることしか出来ない。
凛花が美人だからだろう、周りからの僕への視線が痛い。
おそらくこれが小説にも出てきたりする「リア充爆発しろ!!」という視線なのだろう。
なんて若干現実逃避しながら、これから行く太陽公園でも同じようにならないことを祈るのだった。
◆
バスでの移動は約30分続いた。
正直こちらに向けられている視線が全て先程のものであるのような気がしてなんとも言えなかった。(僚太の被害妄想)
バスから降り、太陽公園に向かう道中も腕を組まれたままであったが、すれ違う人が子供連れであったり、カップルであったりしたため少し安心して歩くことが出来た。
逆に言えばそちらに意識が向かないせいでより腕を組まれている方に意識がいってしまい、太陽公園につく頃には徒歩7分位の道のりで息が上がりそうになっていた。