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ホテルでの夜

夜、昨日も見たはずのホテルに常備されているパジャマを着る凛花。


今まではりんちゃんがいるからと極力意識しないように心掛けていたが、その理由はもうない。

しかも、今は夏であるため当然のごとくパジャマも薄い。

さらに、昨日と同様にこちらのベッドに侵入している。

まだ、慣れない豪華な部屋も相まって本当に落ち着かない。

逃げるように小説を読み始める。


・・・・・・全く集中できない。

小説の世界に逃げようと思ったが、どうやらそれは遅かったらしい。

既に集中できない状況になっているため、逃げるにも逃げられない。

例えるなら終電を逃したような感覚である。

ちなみに終電にすら乗ったことはないが。



今日は寝落ちしないために早めにスマホは切り上げ、充電する。

そういえば、先程ネットで調べていると良い対策があった。

それはもうシンプルで部屋の電気を消す、である。

勘違いしないでほしいのは、そういう雰囲気を作るためではなく視界を遮るためである。

そうすれば、凛花のパジャマ姿は目に入らない。

しかし、小説はもちろん読めないし、スマホも充電ケーブルがベッドまで届かないため使えない。

モバイルバッテリーを使うか、絶対に寝落ちしないと言いきれるのなら使うことが出来る。

だが、モバイルバッテリーを使うのは外出中に足りなくなった時である。

ホテルで使ってモバイルバッテリーを外で使えなかったら意味がない。

寝落ちしない、に関しては昨日の前例があるため断言できない。

そのため、もう寝るしかない状態である。

今日はそれなりに歩いているし、あのロック画面を見てしまったことで精神的にも疲れている。

何度も何度も堤防に打ちつけてくる波にヒヤヒヤしていたのだから無理もない。

なんなら一度堤防が決壊し、作り直しているためその分の疲労もあるだろう。



僕は何故か白のタキシードのようなものを着て見慣れない部屋の椅子に座っていた。

何故か分からないが凄く緊張している。

辺りを見回すが、本当に知らない場所である。

謎の緊張に加えて不安も強まってくる。

そんな中ノックが聞こえた。

誰だろう、と考えるよりも先に口が勝手にどうぞと言っていた。

不思議に思いつつ、1つの扉に目をやる。

扉はそこにしかなかったためその扉から誰かが入ってくるのは分かった。


「田中さま、準備が出来たようですのでこちらへどうぞ」

「はい」

またしても口が勝手にそう答えた。

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