姫路城へ 2
すみません。ちょっと短いです。
今回のお昼はたこ焼きを食べる事になった。
あの事があり、朝食を食べていなかったのもあり、少し早めの昼食でもお腹は空いていた。
「兵庫県に来たならさ、明石焼きじゃない?」
凛花はようやく見つけた話題を早速使い僚太の様子を見ていた。
「明石焼きもたこ焼きじゃないの?」
「明石焼きはソースじゃなくてだし汁につけて食べるんだって」
先程まで感じていた壁が嘘のように感じられなくなっていた。
迷路の行き止まりで立ち止まっていたら、そのゴールを妨げていた壁が消えたようなそんな感覚。
拍子抜けといえばそうだが、その方が良かった。
壁を感じた原因だけが未だに謎なのが引っ掛かるが、今は旅行中である。
今日はここまで楽しめていると言えないのでここから巻き返そう、と心に決めたのだった。
◆
「そういえば、スマホ充電しといてくれてありがとね」
凛花としては寝落ちしたということにしたかったためスマホを持ったまま寝たのだ。
スマホの充電がなくなっているのも覚悟の上だった。
どうしても必要になれば、モバイルバッテリーを持ってきているためなんとかなるのだが。
「え?あ、う、うん」
僚太は急に目を逸らす。
あれ?と凛花が思っていると、そのタイミングでたこ焼きが2人分運ばれてきた。
普段朝食を抜くことがないためか、いつも以上にたこ焼きに気が向いており、凛花はその疑問を口に出すことはなかった。
◆
「熱かったけど美味しかったね」
「そうだね」
お会計はキャッシュレス決済でスムーズに済ませ、店を出る。
「せっかくだしさ、手を握って行こう」
凛花は半ば強制的に手を握る。
「・・・・・・・・・」
そして、なぜか固まった。
「ど、どうしたの?」
僚太もまた波が押し寄せてきていたが、なんとか聞く。
◆
その時、二人は同じ理由で顔を相手から見えないようにしていたらしい。