ロック画面 2
凛花=りんちゃん。
それは一度考えた事があったが、本人から以前会ったことがないという証言を得た事により違うと思っていた。
凛花=りんちゃんでないのだとするとなぜこの写真を持っているのかという話になる。
僕自身にこの写真を撮った記憶はないのだが、実際にあるのだから撮っていたのだろう。
凛花=りんちゃんがやはり事実だったとして、それを隠す必要はないように思える。
それに、事実であるなら僕の事を好きだと言っている理由になりえる。
凛花があの約束をどれくらい重要視しているかは分からないが、それがあるから好きと言い行動を共にしていると考えると、まだありえそうである。
もしかして、本心では好きではないのではないか、というところまで考え、それは違うだろうと思い直した。
何度も何度も声から感情を読み取っているが、好きという言葉に嘘はなかった。
だからこそどうしようか迷っていたのだから。
今までの様々なことを思いだし、一つの仮説を立てる。
凛花はあの時の記憶はあるが、僕をりょうちゃんだと認識していない。
そして、あの約束については忘れている。
だとすると、今の行動にそれなりに筋が通っていると思う。
唯一、なぜ僕の事を好きになったのかという点のみ分からない部分になる。
もし、僕をりょうちゃんだと認識していないなら学校で初対面だという認識のはずである。
同じ学級委員ではあるが、僕の性格上ほとんどコミュニケーションはなかった。
なんなら、ほとんど無口であったため逆に悪い印象を持っていてもおかしくはない。
凛花が告白してくるまでに僕を好きになる要素なんて欠片もないだろう。
顔が良いわけでもないし、性格はほとんど話したことがないから分からないはず。
知っていたとしても好かれるような性格だとは思ってないが。
これに至っては考えても分かるものではない。
好きという言葉に嘘がなかった以上、昔のことを隠す必要なんてないし、僕がりょうちゃんだと気づいていないと考えるのがやはり一番可能性が高そうだ。
◆
そうなるとこれから僕はどうすれば良いのか?
ロック画面を見てしまったことを言い自分がりょうちゃんだと打ち明けるのが良いのだろうか。
それともロック画面は見なかったことにして今まで通りに徹するのか。
正直凛花がりんちゃんである可能性が非常に高くなったことを嬉しく思っている自分がいる。
それが、会えない可能性が高いと思っていた人が目の前にいたからか、凛花だからかは分からない。
その嬉しさから打ち明けたい気持ちは募るばかりである。
しかし、これは100%というわけではない。
もしかすると写真の男の子はドッペルゲンガーかもしれない。
この世に自分を含めて3人いると言われているためあり得なくはない。
そう思うと、もし違った場合振られたととられてしまう可能性がある。
そのため見なかったことにすることに決めた。