せっかく旅行に来たのに・・・・・・
「それにしてもさっきの人たち先輩の友達の子供と、その恋人候補なんですよね?まだ、未成年じゃないんですか?」
「まあ、そうなんだけど、友達の子供以外は結婚まで賛成してるらしいのよ」
「それは、また・・・・・・それこそ二人部屋は不味いんじゃ?」
後輩が言いたいことは先輩もよく分かっていた。
「多分勘違いしてると思うから言っておくけど、私の友達の子供は男の子の方だよ」
「え?・・・・・・それは驚きましたけど、どちらにしても危なくないですか?」
後輩が言いたいのは性的な行為が行われてしまうのではないかというもの。
その不安もまだ男の子の方が乗り気ではないという時点で少しなくなっている。
もちろん、女の子の方から強引にということもあるため不安を拭いきれてはいない。
「私の友達がそんな子との縁談を断らないわけがないから大丈夫よ」
そんな先輩の断言する姿に不安はほとんどなくなっている後輩。
「先輩はその友達を信頼しているんですね」
「まあね、さあ、休憩時間終わるよ。受付に戻ろう」
「はい、またその友達のこと教えてくださいね」
「また今度ね」
◆
そんな受付の人が心配していた僚太と凛花であるが、二人は真剣に今後の計画を立てていた。
この際二人部屋を気にしている時間などなかった。
とりあえずこれから先の日程について計画をたてなければ、せっかく来たのに意味がなくなってしまう。
「とりあえず姫路城は行く?」
凛花が僕が新幹線内で提案した姫路城を計画に組み込むか聞いてくる。
「とりあえず言ってみただけだから、別に行かなくても・・・」
「じゃあ、行こう」
そう言うとスマホで姫路城の観光に必要な時間を調べ始める。
「明日は姫路城に行った後、その辺りで昼ご飯を食べて、後は姫路市をブラブラして帰ろう。その他との予定はまた明日にしよ」
急遽作った感が否めない計画ではあったが、何か一つでも観光スポットに行っていれば、来た意味がなくなる心配はないだろうとその計画に賛成する。
そうこうしている内に時刻は18時になっていた。
「マ○ドでも食べに行く?」
「マ○ド派なんだ。私はマッ○派だな」
僚太が提案したのは窓からマ○ドナルドが見えていたためだ。
凛花は旅行中なのに本当にその店で良いのかということよりも先にその店の呼び方の方が気になった。
「マ○ドって言う人の方が多くない?」
「そうかな?」
そんな議論をしながら結局窓から見えたマ○ドナルドに入っていくのだった。