表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/197

予告型

だからこそ、ペアルックの服を着ることはなかった。

しかも、昨日は免許取得のために外に出ることが確定していた。

そんな中家の中でも着ない服を身に付けるわけがない。


お母さんはそれを見越していたのだろう。


「迷わなくなるし、人に頼みやすいでしょ」

これが上下3着ずつしかない事の利点だ。

ある時期にほとんど、いや、全く買い物というか外出もしないことがあったためその時からこういう感じになっている。

元はそう頼んだわけではなく、元々着ていた服に似たものなら着るだろうというお母さんかお父さんの考えでそうなったのだろう。

その後、学校などの最低限の外出をするようになっても、買い物など自分が行かなくても済むことはしなかったため続いているのだ。


ふと、ペアルックを買って帰ったときの二人の反応が嬉しそうだったのは自分で服を買ってきたことにあるのではないかという考えが頭によぎった。

いや、遂に付き合い始めた的な感じでお祝いしようとしていたので違うだろう。


「これは旅行中に服を買うことは決定だね。1着は買ってあげる。遅いけど誕生日プレゼントね」

確かに誕生日はとっくに過ぎている。

というか誕プレを買って渡す前に予告されることがあるんだ。

主流は内緒で買って渡すか、逆に相手に好きなものを選んでもらうかだと思う。

同年代で誕プレのやり取りをしたことがないため分からないが、この予告型が普通なのだろうか。

それよりも・・・・・・

「なんで、僕の誕生日を知ってるの?」

僕の誕生日は凛花が僕に告白してきた日よりも前だ。

これまで言ったこともなかった気がするし、正直、なぜ知られているのかわからない。


「好きな人の誕生日はちゃんと把握しておくものだよ?」

凛花はさも当然のようにそう言う。

それをさらっと言ってしまう凛花をすごいと思ってしまう。

正確にはさらっと言っているように感じるが、声から感じる感情はものすごく波打っていた。

緊張、恥ずかしさ、みたいなものがあったのだろう。

それを表面上は一切出していないのだから本当にすごいと思う。


実際には服よりも本やゲームの方が嬉しかったりするのだが、誕生日プレゼントってやっぱり他の人に選んでもらうからこそ意味があると思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ