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話を聞かないと・・・・・・

翌日。

色々あったが、今日の夕方には加奈姉と叔母さんは帰っていく。

そういえば、受験生なのに全く勉強するところは見なかったな。



そんな事を朝思っていた僕だったが、昨日の会話をすっかり忘れていた。

今日は加奈姉に勉強方を教えてもらうことになっていたのだ。


そして、その会場に選ばれたのはやはり僕の部屋。

椅子は一つしかないため、加奈姉がその椅子に座り僕と凛花がベッドに腰をかけていた。



僚太、凛花共に気づいていないがここに加奈の隠された意図があった。

先日、加奈が何故一緒のベッドで寝ることを奨めたのか。

それは、その抵抗具合で今の親密度がわかるためだ。

いつも寝ているベッドというのは動物で例えるならその人の縄張りだ。

そこになんの抵抗もなく入れるということはそれだけ親密であるということ。


あえて、僚太とベッドに座らせることで僚太の反応を見ようとしていたのだ。

それで、僚太がどこまで凛花に心を開いているのか、判断しようとしたのだ。

結果は何の抵抗もなかった。

それに内心ニヤニヤしながら二人に勉強方を教えていくのだった。



加奈姉の勉強方は時間があるとき、ないときで分けられていた。


正直自分からは勉強しない僕には関係のない話だ。

そう思い聞き流していると、

「僚太、私がさっき言ってたこと復唱して」

加奈姉が僕が聞き流しているのに気づき復唱を求める。

しかし、何となく耳に残っていたためそれを声に出す。

「えっと、話を聞かない人は腹筋をする・・・・・・え?」

声を出して初めて脳が意味を理解した。

「そっか。どうしても腹筋したいんだね?凛花ちゃん」

「はい!?」

急に話しかけられ凛花はビックリする。

「僚太の足を固定してあげて」



加奈がベッドに僚太と凛花を座らせたのもこれが理由だった。

この流れで自然に凛花が足を押さえるようにするためには自分より明らかに凛花の方が僚太に近くないと不自然になる。

その不自然をなくすために二人に教えやすいようにとか変な理由をつけて椅子に座ったのだ。


そして、僚太が話を聞かない事も分かっていた。

年に数回しか会わないとはいえ、幼い頃から知っている。

そのため僚太の事をある程度知っていた。

もっと深く知っていれば凛花ちゃんに色々教えてあげられたのにと悔やむ一方、逆に教えすぎるのも良くないのかもしれないとも思っている。

それは二人が生活の中で見つけていくものだから。

しかし、せめて僚太が立ち直った理由。

それが憶測ではなく断定できたらと考えていたのだった。

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