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会えないかな

今考えればそんな連絡手段などもない子供がそんなこと出来るはずがない。


そのときはまだ考えが浅く、必ず出来ると思い約束をした。

その約束を後悔しているかどうかでいうと、どっちもどっちだ。

約束を守れない可能性は高いがその約束があったからこそ今の僕がいる。



「じゃあ、はい」

そう言って小指を出してくるりんちゃん。

その意図を僚太はすぐに理解し、僚太も自身の小指を出す。


「「ゆーびきーりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった」」


「ぜったい、たすけるから」



りんちゃんのその言葉以降はまだ、思い出せない。

いや、正確には印象的なことは覚えているがここまで事細かに思い出せない。


でも、りんちゃんの「ぜったいたすける」というのに救われたのは事実だ。

その頃から無意識に声で感情を把握していたようで、その言葉に嘘はなく、なんなら何がなんでももそうするという、まるで将来夢を語っているときのような感情だった。


もっとも、それは思い出したときに潜在的に認識していたものが思い出されたときに一緒に出てきたものだ。


「・・・・・・会えないかな」

りんちゃんに会いたいのは結婚の約束もあるが嫌なことがあれば助けるという約束がその時の記憶自体が僕の助けになったことを伝えたいのもある。

「キスした子に?」

「うわっ!」

急に凛花の声がしたため驚いてしまった。

気がつくと凛花は部屋に入ってきており、僕の結構近いところにいた。

「いつから・・・・・・?」

「ちょっと前から。ノックしても反応ないから寝てるのかなって音をたてないように入ったら、座って考え込んでたから邪魔しない方が良いかなって」

なんか、この後言う予定だった、文句に先に答えられた感が凄い。

「色恋なら私が相談に乗るよ?」

「加奈姉の真似はしなくて良いから」

今年はまだ言われてなかったが、毎年帰ってくる度にそんな事を言われていたためすぐに分かった。

それに、何故か知らないけど声の感情まで再現されており完成度が高かったのもある。

「加奈さんにこれをレクチャーされたから試してみたくて。それじゃあ、おやすみ」

そう言って凛花は部屋を出ていく。


え?これだけのために入ってきたの?



凛花は僚太の部屋を出た後に直で自分の部屋に帰ってきていた。


そして、いつものごとく抱き枕に抱きつく。

実は僚太の部屋に行ったのは先程の理由ではない。


それは、銭湯でのとある会話が原因である。



「じゃあ、やっぱりもっと意識させることが大切だと思うよ?」

話の流れでまた僚太をどうやってふりむかせるかという話に戻っていた。

「例えば?」

これまで色々試行錯誤してきた凛花にとって新たな策は喉から手が出るほど欲しいものであり、姿勢も前のめりになっている。


「やっぱり、同じベッドで一緒に寝たり?・・・・・・ああ、性的なのはまだなしだよ?」

凛花の顔は真っ赤になっていた。

それが一瞬の出来事であることからお風呂によるものではない事は確かである。

それは性的なものというのではなく、同じベッドで寝るというのは既にあったからだ。

「・・・・・・ごめん、話がちょっと飛躍しすぎたかな。う~ん、あ!もう一回ハグすれば良いんじゃない?

ゲームとか、そういうのじゃなくて」

まさか、一緒に寝たことがあるとは思わない加奈は突然過ぎたと他の案を提案する。



それを即実行しようと僚太の部屋に行ったのだ。

しかし、決心がつきそうもなかったため逃げてきたのである。

それに、実は先程の作戦には続きがある。



「それで、そのままキスしちゃいなよ。そこまですればさすがの僚太も・・・・・・」



その作戦がハグの後に待っていると考えると中々実行に移せなかった。

以前勢いに任せて頬にキスをしたことがあったが、ハグをしてからとなると、それだけでも躊躇があるのにそこから更に、となると難しかった。

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