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こう見えて成人

こうして流れてくるお寿司を見ながら食べたいものを探していると、後ろから視線を感じた気がした。


確か、後ろのテーブルにはお父さん達がいるはずだ。

そちらを向くとお母さんと叔母さんがこちらを見ながら談笑していた。

店内に流れる音楽等で何を話しているのかはわからないが、楽しそうである。

ただ、こちらを見ながらという点で何を話していたのか気になるところではある。


「あ、そういえばこの店の担々麺は美味しいらしいよ」

凛花はそう言いながら僕と加奈姉にいるかどうかを聞いた。

「僕は要らない」

「私は食べよっかな」

「じゃあ、二つ注文しますね」

凛花はそう言うとすぐにその操作を始める。


「僚太って辛いもの好きじゃなかったっけ?」

「好きだよ」

加奈姉が僕が担々麺を頼まなかったことで気になったらしく聞いてきた。

「僚太も頼めば良かったのに」

「回転寿司でお寿司以外を食べるのは勿体無いでしょ」

そう、担々麺なんて食べてしまったら肝心のお寿司が食べられなくなる。

「ポテト頼んでる癖に」

「量が問題なんだよ」

加奈姉とそんなやり取りをしていると突然凛花がクスクスと笑い始めた。

その様子に僕と加奈姉は凛花の方を不思議に思い、目を向ける。

「さっきの僚太すっごい子供ぽかったよ」

口角が上がったままそう言われた。

「ということは私は更にお姉さんっぽくなってたかな?相対的に」

加奈姉は何を気にしてるんだ?

・・・・・・・・・それよりも何か子供っぽかったか?

「そうですね」

この肯定はやはり僕が子供っぽく見えたということだろう。


プンプルプン、プンプルプン

このタイミングで注文していたものが届いたようだ。

先程の音は注文したものが届いた合図だ。

今回来たのは真っ先に頼んでいたメロンソーダ2つとポテトが3つである。

ポテトは一人1個として、加奈姉のジュースがない。

「加奈姉の飲み物は?」

「私はお茶で良いよ」

そう言いながらテーブルの端に置かれていた湯呑みに近くから取った筒から粉末茶を入れると、各テーブルに備え付けられているお湯の蛇口からお湯を入れお茶を完成させ一口飲む。


それはまるで慣れた手付きであったが、去年まではジュースを飲んでいたはずだ。

そう思いじっくり観察するが無理をしている様子はない。

「そんな意外そうな顔しないでよ、僚太。私だってこれでも成人なんだからね?」

確かに18歳のためその通りであるが、何かしっくりこない。

その理由を考えてみたが、全く見当もつかなかった。

潜在的な意識なのかもしれない。

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