迷惑?
閑話を除けばこれで100話目です。
ここまで読んでくださっている皆様には感謝しかございません。
これからもよろしくお願いします。
またしても取り残された二人はビニール袋から食材を取り出していく。
スパゲッティの乾麺、玉ねぎ、ベーコン、ウインナー、にんにくが入っていた。
「ナポリタン・・・・・・ですかね。ピーマンがないですけど」
「そうっぽいですね。多分ピーマンがないのは僚太が苦手だからだと思います」
「そうなんですか。やっぱり仲が良いんですね」
「まあ、幼い頃からの付き合いですしね」
沈黙から、会話が生まれたためどちらもが今度はそれを消さないように慎重に言葉を選んでいた。
「それでも、食の好みまで知っている友達なんて中々いないですよ」
「ありがとうございます・・・?」
疑問型になったのはどう返して良いのか分からずとりあえず何か言葉を出したからだ。
その後少しの沈黙の後、
「作り始めましょう」
沙羅の言葉により台所に向かったのだった。
◆
その頃僚太達は本当に家に帰っていた。
「僚太くんってさ・・・・・・私の事、迷惑って思ってる?」
「急にどうしたの?」
答えにくい質問であったこともあり質問で返す。
「実は、私知ってるんだ、僚太くんが昔したっていう約束」
「え?」
「それを知ってて僚太くんと過ごしてた。それを踏まえて、私は迷惑?」
凛花は今の貴史と沙羅の関係を見て、羨ましく感じていた。
お互いがお互いを好きなことを隠しあっているけど周りから見ればバレバレ。
だからこそかもしれない。
昔の約束の事を一気に自分ではないと思わせる。
つまり、アドバンテージを捨てる覚悟をした。
以前から使わないつもりではいたがここまで自分ではないと否定はしていなかった。
それはそれがあれば安心だと思う自分がいたからだ。
それは自分が望む未来ではなかったが、やってしまいかねないとも思っている。
これで迷惑だと言われたら完全に諦めようという覚悟もあった。
「正直に言うと迷惑だと思ってたよ」
やっぱりそうだよね。
自分でもわかっていた。過度なアピールは引かれてしまう事は分かっていた。
それでもしてしまったのは、早くりょうちゃんとの仲を深めたいという思いが強かったからだ。
その思いだけが先行していた自覚はある。
きっと優しいりょうちゃんには私よりも良い人が・・・・・・
「でも、嫌だったかと言われたらそうでもないかな。何だかんだで僕も楽しかったし」
僚太がそう答えたのは本心でもあり、昔の約束を引きずっている事を否定されなくて嬉しかったのもあった。
「・・・・・・ありがとう」
りょうちゃん、それはズルいよ。
そんなことを言われたらやっぱり諦められなくなっちゃうよ・・・・・・
人気が全然なければこういう終わり方をしようをしてました。
最後まで書くと決めたからにはちゃんとしたエンディングを用意します。
(既に構想はありますが)