勉強会
遅れてすみません。
もう一話分は更に遅れますが、今日中には投稿する予定です。
数日後、僚太は凛花と共に駅に来ていた。
どうやら貴史以外のもう一人は電車で来るらしい。
「もう一人ってもしかして?」
「多分、そうだよ」
初めに僕の家ではなく貴史の家を選択したところから何となくそんな気はしてた。
そのときはそれよりも外でやることにならないかを警戒していたため思い至ったのはこの駅で待ち始めてからだ。
でも、もし想像通りのあの人だったら貴史の反応が楽しみだな。
そんなことを考えながら待っていると、予想通りの人が来た。
「あ、彼氏君邪魔してごめんね?」
邪魔になるのは僕の方になりそうです。
ごめんなさい。
どうやら貴史の家に行くことは知らないらしいので心の中で謝っておいた。
そこからの会話は凛花に任せて貴史の家に向かった。
◆
「広・・・川・・・・・・」
この辺りでもう気づいてそうだが、何も言わずにインターホンを押す。
すると、玄関が開き貴史が出てきた。
「おはよう。準備は・・・・・・」
「おはよう。どうした?」
貴史はある人を見た途端急に言葉を止めた。
貴史が誰を見ているのかは気づいてないふりをして質問する。
「沙羅さんも一緒だったんですね」
「私も貴史さんの家というのは知りませんでした」
二人とも下の名前で呼びあってるって・・・・・・
「とりあえず、準備はしてるから入ってください。僚太は残って」
何で僕だけ残したんだ?
「どういうことだよ?聞いてないぞ」
「何が?」
「中野さんのことだよ」
あれ、呼び方が変わってる。
「しょうがないでしょ。僕も今日の朝知ったし」
でも、この反応は・・・・・・・・・
こういう経験が少ないであろう僚太にまで察せられてしまうのだった。
◆
それから、4人で勉強会が始まった。
初めは集中出来てなかった沙羅さんや貴史も少しずつこの状況に慣れていったようだ。
2、3時間が経つと12時を告げるチャイムが鳴った。
「もう、こんな時間か。ご飯はどうする?」
貴史の言葉にそういえば考えてなかったなと思う。
そういえば、この時間でほとんど敬語は使わなくなっていた。
「何も案がないなら4人で何か作る?」
凛花の案に良いことを思い付いたのでのることにした。
「それなら僕は食材調達してくるよ」
「じゃあ、私も行こうかな。二人はゆっくりしてて良いよ」
やっぱり凛花がついてきた。ただ今回はこれが狙いだった。
こうすることで貴史と沙羅さんを二人きりに出来る。
僚太のいたずら心にまた火が灯っていたのだった。