勉強会を開こう
もう8月であるためクーラーガンガンの部屋にいることまでは普段と一緒なのだが、今年はどうしてこうも勉強することが多いのだろうか。
ふとそんなことを考えてしまう。
やはり、凛花のせいなのではないかとも思うが、実際のところ結局は自発的にやっていることに気づいた。
もちろん、あの契約書とかそういう理由はあったが、以前までならなんとかなるだろうで直前まで勉強をしなかっただろう。
そんなことを考えている今も原付免許取得のために勉強をしている。
話は変わるが、聞いた話によると原付の免許を取得したいと申し出たのは4人のようだ。
これには家から学校の距離など何キロ以上でないとダメなどという校則があるためという理由があるだろう。
また、色々手続きをしなければならない。
まず学校の許可をとり高校での原付のルールを説明される。
そこから免許をとると、先生に免許を提出する。
そして、ようやく原付で通学したと思ったら今度はその初めて原付を学校に乗っていった日に車体検査を受けなければならない。
こんな面倒くさいのは学校で説明を受けたときに初めて知った。
そのため希望者が少ないのは原付で通うほど家が離れていないか電車などの通学手段が既にあるためだろう。
「そういえば引っ越し先って学校から離れてるの?」
凛花も許可をもらったということはそういうことなのだろうというのは分かったが、念のため聞いてみた。
何故聞いたのかご想像にお任せしよう。
僕が考えたらそのフラグが立ってしまいそうだから。
「うん、ここと同じ位は離れてるよ」
良かった、良かった。
引っ越しが終わってもこの家から通学するってことは無さそうだ。
・・・・・・あ!気を抜いて考えないようにしていたことを考えてしまった。
フラグが立っていないことを祈ろう。
「それにしてもひっかけ問題みたいなのが多くない?」
「まあ、まるばつの問題だからね。それに慣れたら結構すぐに分かるようになるよ」
「なんか同じタイミングで勉強を始めたとは思えないんだけど・・・」
凛花が既にコツを掴み始めていることに信じることが出来ない僚太。
「あ、それこそ皆で集まって勉強する?」
凛花がそう提案してきた。
「どこでやるの?」
こういうとき、僕はもう一人の人が誰なのかよりも場所が気になった。
やはり、夏になるとクーラーの効いた部屋から出たくない。
「それなんだけど、広川くんの家とかどうかな?」
「後で聞いとくよ」