補習最終日
そして時は流れ補習最終日。
その日の授業という名の宿題をする時間に全ての宿題は終わった。
それは僚太と共に宿題をやってきて凛花も同様であった。
「そういえば、あの本面白かったよ」
凛花がそう言うのは読書感想文用に渡した本のことだ。
今朝返されたのだが、得にまだ感想は聞いていなかった。
「それは良かった」
流石に自分が面白いと思って自信を持って渡したものがつまらなかったと言われるのはショックだ。
僕の読書感想文は読んだことのある作品にしたのだが、結局読み直してから書いたため結局かかる時間は変わらなかった。
◆
それはそうとこの補習中貴史にあの事を聞いてみた。
あの事とは中野沙羅さんの件についてだ。
なんと中学生の頃に会ったことがあるらしく、テニスでペアを組んだこともあるらしい。
彼女なのかと聞いたらそうではないらしい。
ただ、貴史にそれ以外そういった噂はないため一番有力候補だと思っている。
そして、そのやり取りを聞いていた凛花はニヤニヤしていた。
それは、沙羅に報告出来るからか、はたまた僚太に恋愛に対しての興味があることがうかがえたからなのか。
◆
そして、お母さんの迎えで帰る道中、
「美奈子さん、宿題全部終わりましたよ」
凛花が先にその事を伝えた。
「早いわね。ご褒美はもう少し後になるから待っててね」
「はい」
すごく仲良くなっているなと思っている僚太は読書をしていたためその会話に参加することはなかった。
そして、家に帰るとお母さんに薄目のワークみたいなものをもらった。
表紙を見ると原付免許取得のためのワークのようだった。
・・・・・・これが、ご褒美ではないよな。
まあ、ご褒美だったらご褒美で何でもお願いできる券が一回分なくなるので良いのだが・・・・・・
「詳しいことは凛花ちゃんに聞いてね」
凛花の方を向くとまた紙を持っていた。
それは以前宿題を早く終わらせることが出来たらご褒美があるという契約書。
そこに追記で書かれていた。
協力して合格をすることでご褒美があるとなっていた。
そして、このワークはご褒美ではなく宿題の追加という換算だということもちゃんと記載されていた。
その分は凛花が書いたんじゃないのかと疑ったが、お母さんならその辺りもしっかりしている可能性も考えられなくはないためそこはスルーした。
それにご褒美がまだ良いものになると決まったわけではない。
「でも、勉強する意味あるの?」
「勉強しなかったら落ちるよ?」
「そうじゃなくて・・・・・・」
僕が言いたいのは凛花が勉強する意味がないのではないかということだ。
「あ、私が勉強する意味ないってこと?」
何でわかったんだろう?
まあ、これで話が進められるから良いや。
なんというか名前を呼ぶのが照れ臭いのだ。
別に恋人っぽく呼ぶとかはしてなくても何故か照れ臭い。
「・・・そういうこと」
「それなら私も原付の免許とることになったから」
「学校からの許可は?」
「もちろんとってるよ」
いつの間に・・・・・・・・・