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とある組織


あの後なんやかんやで皆落ち着いた。

「取り敢えず姉さんに名前を聞かせてもらってもいいか?」

「セナよ。」

そうぶっきらぼうに言う。

あれ?俺これ嫌われてないよね?そうだよね?

「そういえばセナが戦ってたならヒナに戦闘力はあるのか?」

「この子もまあまああるわよ。私ほどではないけれどね。」

「うん!お姉ちゃんほどじゃないけど、私もお姉ちゃんみたいになれるように鍛錬してたから!」

そう言ってセナに抱き着くヒナ。

こいつらもしかして元々は二人とも自分の体があったのか?

気になった俺は聞いてみることにした。

「お前ら最初はお互い自分の体があったのか?」

「まあ、そうね。でもある時私が暗殺されて何の因果かヒナと同じ体にいたの。」

「そうなのか。」

「そしてその私を暗殺した奴を探すためにコロシアムで決闘をしてるって感じね。」

人格が人に移る、か。

そんなことがあるのか、それとも造られた人格なのか。

それはおいおい考えるとして、

「とにかくエリーにまた事情を説明しないとな。」

そう呟いて俺はエリーを呼びに行った。


その後起きたこと全てをエリーに説明してその後俺らは解散した。

まぁ、また自分の妹と触れ合えるってなったらあんだけ妹とじゃれあってるか。

そう、あいつら俺がエリーに説明してるとき一生遊んでたもんな。

まああれを見て嫌な気にはならないが。

俺は今眠りに着くのではなく、外を散歩している。

これからのことを考えないといけないからな。

そんなことを思考していたその刹那、

「ッ!?」

気づいた時にはもう俺の意識は闇に落ちていた。



「よぉ、目覚めたか。」

その声と共に俺の意識は覚醒する。

「ここはどこだ?そしてお前は誰だ?」

俺は目の前にいるそいつに問いかける。

「俺は暗殺者だ。そしてここはとある組織のアジトだ。」

「何で俺を?」

「俺は殺してもよかったんだが、雇われてるからな。だから情報も言えない。」

「そうか、それだけ聞けたら十分だ。」

俺はこいつに負けたわけではない。

考え事をしていて警戒していなかった時にこいつが来た。

だからこそ不意を突かれて気絶させられてしまったが、今は違う。

だから俺はイメージする。

俺が今されている拘束が説かれるその場面を。

そして次の瞬間俺の拘束は全て説かれた。

するとそれを見たそいつは、

「おいおい、どうなってんだぁ?」

そう驚きながら言ってくる。

「お前、死ぬ覚悟はできてるんだろうな?」

俺は殺気を放ちながらそう言って、

「お前みたいなド三流が俺に勝てる道理もない。何てったって不意打ちしかできない雑魚だからな。」

「あぁ?」

そいつは俺のその言葉にキレながら、

「あぁそうか、殺すなと言われていたがもうどうだっていい。ぐちゃぐちゃにしてやるよ。」

その瞬間そいつは目で追えないくらいのスピードで俺の背後に回る。

でもそんなのに意味はない。

だってもう勝敗はついているんだから。

俺はイメージした、こいつがどこからか現れる刀に串刺しにされる所を。

「は?ど、どうなって、、、」

最期にそんな言葉を残してそいつは地に伏した。


さて、ここは組織のアジト。どうやって抜け出すかだな。

俺の能力は想像できればどんなことでも出来るが、相当難しい。

軽いイメージではなくハッキリとイメージしないといけない。

だから難しいことをしようとしたら頭がパンクして死に直面することだってある。

だからこの状況をどうしようかと考えていたその時、

「あれれ?なんで君がこんなとこにいるのかなぁ。ダメじゃないか、これはお仕置きが必要かな?」

誰だ?と思い後ろを振り向く。

そして俺はそいつの姿を視認した瞬間すぐさま後方へ数メートル下がる。

こいつはヤバイ。

俺の中ので警報が鳴り響いているのだ。

こいつヤバイと本能が言っている。

「お前は誰だ?」

「僕かい?僕はアルト。この組織で、いや。」

そこでそいつは区切って、

「この世界で5本の指には入るよ。」

「これで5本の指、か。」

すごいな、この世界。

少し侮っていたのかもな。この世界を。

でも、俺が最強なことには変わりない。ただ目の前にいる敵を倒せばいい。

俺のその強い意志を感じ取ったのかアルトは、

「君、相当強いでしょ。僕らの組織に来ない?」

「それは無理な相談だ。俺はこの組織を壊す。」

俺はそう宣言する。

「そっかぁ、残念だなぁ。ここで死なすには勿体無いのに。」

「死ぬのはお前じゃないのか?」

そうして戦いの火蓋が切られる。

そいつは最初は仕掛けて来ず、受けの体制をとっていた。

俺が小手試しで攻撃を放っていると気付いたことがある。

こいつ、スピードも速いしパワーもあるし技術もある。

能力を使ってもいいがさっき使ってしまい体力が持つか心配だ。

待てよ?

そこで俺はあることに気づく。

能力で俺が体力をある状態にすればいいのだ。

だからこそ俺はイメージする。

その俺の体力が回復する未来を。

「ハハ、ハハハ!」

鼻血が出るくらいに頭を使ってようやく成功した。

体力は回復したが頭が疲れたな。

でも、これで能力を体力の消費なしで使える。


僕はその鼻血出ながら楽しそうに笑う彼を見てさっきとはまるで違う恐ろしい気配を感じ取った。

「それじゃあ終わらせようか!」

彼がそう言うと同時に息が苦しくなる。

「あがっ、な、なんだこ、れ。」

苦しい。呼吸が出来ない。僕は大きく後方に移動する。

そしてやっとそこで呼吸することを許された。

「お前、何をした?」

「さぁ、なんだろうなぁ?まだまだ行くぞ?」

そして次は僕の体に電撃が走る。

僕はその激痛に耐えることが出来ず地面にうずくまる。

僕はその現象を止めようと恐らく原因である彼に攻撃を放つ。

だが僕の攻撃が彼に届くことはなかった。

「は?」

気づけば僕は立つことが出来ていなかった。

足が折れているのだ。

ここまでくるともはや痛みを感じない。

「お願いだ、殺してくれ。」

僕のその懇願に彼は、

「あぁ、いいぞ。まぁ最後くらい苦しまずに殺してやるさ。」

そしてその瞬間僕の意識は落ちて、それから僕が目を覚ますことは無かった。



はぁ、頭が痛い。

流石にイメージしすぎたか。頭を使いすぎるとこうなることを覚えておこう。

多分あいつがこの組織で一番強いんだろう。

だから俺は雑魚を蹴散らして宿に戻るだけ、か。

そしてその後は何事もなく出口にまでたどり着いた。

あいつ以外本当に雑魚しかいなかったな。

そして俺はその建物を出る。

そしてなんやかんやで俺はその道で会う人達に道を聞きながら宿まで来た。

合計二日経っていたらしい。

そうして俺が部屋のドアを開けると、エリー、セナ、ヒナの三人が居た。

その三人は俺を見るや否やこちらまで歩み寄って来て、

「だ、大丈夫だったの!?」

そう言ってきた。

はぁ、最近は説明することが多くて大変だな。

そう思いながら俺はその三人にこの二日で起きたことを全部説明するのだった。

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― 新着の感想 ―
視点の変化がやや分かりづらいけど最後まで読ませていただきました〜。主人公は能力ありの世界から能力なしの世界へ来たんですね。
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