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❀ 手作り製本の備忘録です ✿  作者: 墨屋瑣吉
その後の手作り製本です。
6/8

1.作り直し



 前回の失敗を踏まえて、今回改めて作り直しましたので、その時の記録を投稿します。前回撮り忘れた写真も多めに撮ってます。


 うん、まあ、それでも、「あ、写真撮り忘れた」ってのが、何カ所もあるんですけど。



 なぜ、作り直したのか。


 理由は内容の修正が多くなったのと、物としてもいろいろ失敗したのが気になっていたのと、あとは単純にまた作りたかったから、です。


 だってね、回数を重ねないとわからないこともある訳ですし。



 本文の余白とか文字数とかも少し変えましたが、今回それは置いておきまして。


 最初の印刷が終わった用紙を本の形にするために糸綴じする前の穴開けですが。前回は開けた穴の周囲が盛り上がっているのを指で力任せに握り潰しました。


 今回は、当て布をして、木槌でとんとんと叩くことで潰しました。前よりきれいに、しかも簡単に潰せました。


 いやー、まったく。なんだよ、指で力任せに潰すって。どこの野蛮人だ。文明人らしく道具を使ったほうが良いですね。



 で、本体を糸綴じした後からが今回の本番です。

 まずは、これから使う接着剤などです。


挿絵(By みてみん)


 ボンドと糊と食品トレイは前回も示していました。

 他は、ボンドと糊をすくったり混ぜるのに使ったさじ、水差しとして使った醤油差し、接着剤を塗る刷毛です。

 食品トレイ以外は全て百均で手に入れたものです。



 ボンドと糊を混ぜた後、使いやすい粘度にするために水を入れて伸ばす訳ですが、蛇口から直接とか、コップを使ってとかだと量の調節がやりにくいので、自分はお弁当用の醤油差しを使って水を適量加えました。

 量の調節がうまくできるなら何を使っても問題なしです。


 ただ、自分は醤油差しを使っても、よく水を入れ過ぎてしまいました。どのくらいが適量なのか、要らない紙に試し塗りでもして確認しながら量を決めたほうが良いと思います。



 さて、とりあえず作った接着剤を本体に塗ります。表裏それぞれの端っこに塗っていきます。


挿絵(By みてみん)


 で、表裏それぞれに見返し用紙として、B4サイズの用紙を二つ折りにしたものを貼り合わせます。


挿絵(By みてみん)


 横から見たところです。


挿絵(By みてみん)


 また、背の部分を鋸引きしましたが、今回はなんか少し斜めになってしまいました。


 おかしいな。作り直しているのに、前回上手くいった部分を失敗してどうするんでしょう。まあ、しゃあない。




 これは背の部分に貼る栞紐と花布です。もったいないので、前回作った本から取り外して再利用です。


挿絵(By みてみん)



 前回も使った自作万力にセットし、背部分にボンド多めの接着剤をぺたぺたと塗ります。


挿絵(By みてみん)



 その上に、栞紐と花布を貼ります。ちなみに、茶色いのは、前の本に使った補強紙が少しずつくっついたままになっているんですね。


挿絵(By みてみん)



 次に、背の部分に貼る寒冷紗などです。


挿絵(By みてみん)



 今回は製本用の寒冷紗を使用しました。

 いやー、使いやすいのなんのって。もうねえ、作業しやすさが全然違う。


 誰だよ、レースのカーテンの切れ端を使うなんて言ったおバカさんは。本当、済みません。絶対に製本用の寒冷紗を使ったほうが良いです。



 今回、各サイズは、


 寒冷紗が、長さは(B5の縦長さ-50mm)、横幅は(本文の束の厚み幅+50mm)。


 補強紙が、長さは(B5の縦長さ-6mm)、横幅は(本文の束の厚み幅+60mm)。


 クータが、長さは(B5の縦長さ-6mm)、横幅は(本文の束の厚み幅×3-2mm)。


です。


 寒冷紗と補強紙は幅広で使用したほうが強度が出やすいです。前回は、別の理由から細めにしていましたが、実際作ってみた感想としては、広めがお薦めです。



 あと、貼っていく順番ですが、後日注記で付け加えた順番で貼っていっています。

 背と見返し用紙の上に寒冷紗を貼り、その上に補強紙を貼り、その上にクータを貼るとなります。



 まずは寒冷紗だけを貼ったところです。


挿絵(By みてみん)


 横から。


挿絵(By みてみん)



 その上に補強紙を貼ったところ。


挿絵(By みてみん)



 クータも貼った後です。横から見ているのでクータはほぼ見えないですね。


挿絵(By みてみん)



 ちなみに、ですが、見返し用紙を開いたところはこんな感じです。


挿絵(By みてみん)



 さてはて、何はともあれこれで本体は完成。次に表紙を作ります。




 まずは土台になる台紙です。


 前回と同じく百均で手に入れた厚紙を三枚貼り合わせて使用します。

 そういえば、改めて確認してみたら、これ一枚の厚みは0.5mmでした。ですので、三枚だと1.5mm厚ですね。


挿絵(By みてみん)



 最後にステッカーを貼るのも前回と同じですが、今回は二枚分ステッカー部分を切り取っています。


 一枚だけでも全く問題ないのですが、一枚だけだと最後にステッカーを貼った時に、ステッカー部分に段差が無い。

 二枚分だとステッカー部分が少し凹んだ状態になり、そのほうが好みだということで今回は二枚切り抜きました。



 前回の失敗をふまえて、今回は台紙の大きさを


 表と裏の台紙は、長さは(B5の縦長さ+6mm)、横幅は(B5の横長さと同じ)。


 背の台紙が、長さは(B5の縦長さ+6mm)、横幅は(本文の束の厚み幅+1mm)。


にしました。


 背と表裏の台紙との間隔は7mmとしました。



 台紙を並べた時に上下左右に20mmの折り返しができるように布を裁断します。接着剤を塗る前に、ムラ防止に水を含ませます。途中はこんな感じです。


挿絵(By みてみん)



 全面に水を塗り終わったら、見た目はこんな感じになります。


挿絵(By みてみん)



 ぴんと張って皺を取り、次に接着剤を全体に塗ります。


挿絵(By みてみん)



 ただ、布に前もって水を含ませているせいで、ちょっと接着剤が水っぽくなり過ぎました。失敗です。お陰で接着力が弱くて、この後の修正が大変でした。



 とりあえず、台紙を並べた状態です。


挿絵(By みてみん)



 で、現物合わせで位置が決まれば、布の端を斜めに切り落とします。


挿絵(By みてみん)



 本当は前もって切り落としておいたほうが良いのですが、自分はあまりサイズ出しがうまくできる気がしなかったので、現物合わせをしてから切り落としています。


 ただ、濡らしてからだと布を切りにくいので、できるのであれば濡らすより前に切り落としておいたほうが切り落としやすいし、きれいに切れると思います。



 布を折り返して、新聞紙に挟み、重しを載せて乾かせばとりあえず表紙の完成です。


挿絵(By みてみん)



 うーん、写真を見てもわかりますが、接着剤が弱過ぎたせいで、ところどころ布が浮いていますね。失敗です。


 布が浮いているところには、刷毛で水を塗りちょっとだけ水で伸ばした糊を塗り、新聞紙と重しを載せてくっつけました。


 ムラになるかな?と思いましたが、なんとかムラにならずにすみました。よーく見れば少しムラになってるかも?って程度です。



 いよいよ、本体と表紙の接着です。


 まず、表紙の台紙と台紙の間、溝部分に水を塗ります。


挿絵(By みてみん)



 背の部分から溝の部分に、ボンド多めの接着剤を塗ります。なんなら、純粋なボンドでもいい気がします。


挿絵(By みてみん)



 本体と表紙を貼り合わせます。この段階では、まだ背の部分しか接着されていません。


 それが乾いたら、見返し用紙全面に接着剤を塗ります。接着剤がはみ出すので、見返し用紙と本文の間に接着剤を受けるための紙を挟んでから接着剤を塗っています。



挿絵(By みてみん)



 で、本体と表紙を完全に接着します。これで完成です。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)



 ちょっとわかりにくいですが、前回よりもちりが多く余裕があって満足です。


 ただ、表紙と本体を接着する際にボンドを塗った溝部分がムラになっています。


 うーん、どうやら糊だけ、もしくは糊多めならムラにならず、ボンド多めだとムラになりやすいようです。布の種類を変えれば問題ないかもしれませんが……。なにが正解なのか、難しい。



 以上、作り直しでした。

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