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❀ 手作り製本の備忘録です ✿  作者: 墨屋瑣吉
最初の手作り製本です。
4/8

4.本体部分の作製(後半)

2024.03.18 注記を付け加えました



 ということで、次は背部分の接着、所謂いわゆる背固めです。本体部分の作製の後半です。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 接着剤はでんぷん糊と木工ボンドを使用しました。どちらも百均で購入したものです。糊とボンドはそのままを使用する訳ではなく、両者を混ぜ合わせ、水で伸ばして使用します。混ぜ合わせるには食品トレーを使用しました。


 接着剤はこの後いろいろと使いますが、だいたい糊とボンドを1:1の割合で合わせています。

 ただ、背の部分は強度が必要かなと思い、ボンドの割合を多めに、後で出てくる装丁部分では逆に糊を多めにして使用しました。




 まずは糸綴じでまとめてある本文用紙に見返し用紙を貼り合わせます。

 紐で綴じている部分を少し越える部分まで接着剤を塗り、二つ折りにした見返し用紙を表裏それぞれに貼り合わせます。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)



 さて、見返し用紙を貼ってから少し修正をしました。


 仮綴じの時に緩く縛ったために本文用紙がほんの少しズレ、紙がでこぼこになってしまっていました。

 なので、紙やすりで小口や天、地を削り平らにします。前後の写真を撮るのを忘れたので、その写真はありません。


 ただ、これは見返し用紙を貼り合わせる前に行うべきでした。紙やすりで削るときに本文用紙だけでなく、見返し用紙も削ってしまい少し端の部分がほつれたかんじになってしまいました。いやー、失敗です。




挿絵(By みてみん)


 写真の白い布が寒冷紗、その下の茶色い紙が補強用の背貼りクラフト紙(以下、補強紙と呼称)、右の茶色い紙はクータの材料です。この写真を撮った後、切ってサイズを出してます。


 各サイズは、


 寒冷紗が、長さは(B5の縦長さ-50mm)、横幅は(本文の束の厚み幅+10mm)。


 補強紙が、長さは(B5の縦長さ-6mm)、横幅は(本文の束の厚み幅+30mm)。


 クータが、長さは(B5の縦長さ-6mm)、横幅は(本文の束の厚み幅×3-2mm)。クータは本の厚み幅で折り返して筒状にして使用します。


挿絵(By みてみん)



 なのですが、少し嘘があります。白い布は正確には寒冷紗ではなく、レースのカーテンの切れ端です。


 百均で農業用の寒冷紗を買ってきたのですが、どうにも弱く、手で引っ張るとすぐに破れてしまいました。

 これでは強度が足りないということで、以前服の穴を塞ぐのに使ったレースのカーテンを使用することにしました。


 これなら薄くて、すぐには破れない程度の強度はあるので大丈夫だろうという判断です。


 ただ、これが材質の問題なのか、いざ貼るとなるとなかなかくっつかなくて苦労しました。

 接着剤が半乾きの状態で、しばらくの間強く押さえておくとくっつくとわかるまでが大変で、手が接着剤でべたべたになってしまいました。


 製本用の寒冷紗というのがあるそうなので、最初からそれを使用しておけば問題なかったような気もします。




 手順としては、まず本体の背の部分と本文の表裏の端に接着剤を塗り、寒冷紗を貼り合わせます。


 途中の写真を撮っていなかったので、以下の三つの写真は後から参考例として撮った写真です。


(ただの参考例なので、後から剥がすため接着剤ではなくマスキングテープで貼っています。実際の製本作業時とは違いますが、気にしないでください)


挿絵(By みてみん)



 次に栞紐と花布を貼り付け。


 参考例に使った本が細過ぎたので花布を貼っていませんが、実際の製本作業の時には、幅(本文の束の厚み幅-2mm)の花布を本文の背の部分の上下に貼っています。上部分については、栞紐の上に貼っています。


挿絵(By みてみん)



 それが乾いた後に上に補強紙を貼り、さらに背の部分に接着剤を塗りクータを貼る、となります。


挿絵(By みてみん)




 このうち、栞紐はなくても読むのに問題はなく、花布はただの飾りです。


 補強紙もあくまで念のための補強なので、なくても大丈夫と言えば大丈夫です。経験上、本が古くなって破れる時は見返し用紙のところから破れるケースが多かったので、念のために補強する事にしました。


 クータに関しても、今回作るのは角背本なので、無いなら無いなりになんとでもなるような気もします。



 ただ、まあ、せっかくなのでこれも経験だろうと、全部取り付けた状態で作ってみました。次、作るときはどれかを省略するかもしれません。


 自分は寒冷紗や補強紙を見返し用紙ごと貼る形にしていますが、先に寒冷紗や補強紙を貼ってから見返し用紙を貼ってもいいと思います。

 全てはこのほうが破れにくいだろうと考えた結果ですが、単なる個人的な好みだとも言えます。



(2024.03.18 注記

 補強紙を貼らないなら、寒冷紗はもっと幅広にしたほうが良いと思います。

 今、読み返して思い出しましたが、補強紙を貼るのを前提にこの幅にしたんでした。それも寒冷紗を貼って、それから(・・・・)見返し用紙を貼り、その上に(・・・・)補強紙を貼る、という手順を前提にしています。

 寒冷紗を幅広くし過ぎたら、それを目隠しするために見返し用紙も幅広く接着しないといけない、それは嫌だなと思ってこうしたのを思い出しました。

 ベストな幅って、どのくらいなんでしょう。うーん、よくわからん)



 栞紐を二本付けているのも個人的な好みです。普通は一本で十分だと思います。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)




 これで本体部分が完成しました。


 次は表紙を作り、本体と表紙を貼り合わせればいよいよ完成です。

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