1.前書き
これは自分が、自分で製本を行う手作り製本(『手製本』とか『自家製本』といったほうがわかりやすいかもしれませんね。一応、ここでは『手作り製本』で通します)をした際の記録になります。
元々を言うなら、ある日突然なにもなく本を作ろうと思いついた訳ではなく、水木あおい様の「自作小説をなるべく低予算で古書(魔導書)っぽく、ハードカバー&革装丁……風の布装丁で自主製本するエッセイ 【病毒の王】/製作記(写真あり)」を読んで、そうか、自分でもハードカバーの本を作ることができるんだ!と衝撃を受けたのが始まりです。
(ちなみに、水木あおい様の「自作小説をなるべく低予算で古書(魔導書)っぽく、ハードカバー&革装丁……風の布装丁で自主製本するエッセイ 【病毒の王】/製作記(写真あり)」は自分の書いたものより、百倍は役に立って、千倍は面白いのでとてもお薦めですよ)
それまでに和綴じ本はちょくちょく作っていたのですが、洋本、それもハードカバーを自分で作れると考えたことがなかったので、作ろうという発想自体がありませんでした。
そのため、自分で作るという考えは目から鱗でした。改めて考えると、洋本の作り方を書いた書籍も持っていたことに気付き、読み直して、なんとかなりそうだな、かれこれ五年も書いている『深奥の遺跡へ』も物語全体の半分となる二章まで終わったし(宣伝ですね、いやはやお恥ずかしい(^^;))、ちょうどいいからものは試しに一度作ってみようと思いました。
ということで、今回は『深奥の遺跡へ』の書き上がっている分のうち、序文、序章と一章を合わせた、約三十四万字分を手作りで製本してみます。
この時、手元にあった書籍が、
「手づくり製本術」 岩崎博/著 株式会社雄鷄社
でした。
大昔に和綴じ本の作り方を知りたくて、古書店で手に入れたものです。ただ、ちょっと自分にとってはわかりにくいところがあり、これだけを資料として今回の製本作業をするのは厳しいなと思い、他に参考になる書籍がないかと図書館に行きました。
で、見つけたのが、この二冊。
「美篶堂とつくる美しい手製本 本づくりの教科書12のレッスン」 美篶堂/編 株式会社河出書房新社
「はじめて手でつくる本」 ヨンネ/著 株式会社エクスナレッジ
この二冊だけでなく、他に何冊も製本の方法、それも手作り製本の方法が書かれた書籍が置かれていました。
へぇー、こうして、色々な書籍が出ているということは、自分の周りにはいないだけで、世の中には自分で製本を行っている人たちが一定数いるのだなぁと実感します。
(そういえばどこかで、趣味で同人誌を作る人が印刷所に頼む話と自分で製本をする話を書いているのを読んだことがあったっけ、と思い出しました)
だとすれば、なろうに登録や投稿する方なら、自分がこれから書く内容はとうの昔に知ってるよって方が多いかもしれません。
でも、まあ、役に立たなくてもそれまで、誰かの役に立てばラッキー、ぐらいに考えて投稿してみます。足りない内容でも、これがどなたかの自分も作ってみようかという切っ掛けになれば幸いです。
次回からが作製の過程になります。
ただし、あくまで自分が再び作る時に役立てるための備忘録として記録を残したので、他の人にとってはわかりにくいところ、抜けているところが多々あると思います。
ふーん、こんなことしたら作れるんだね、へぇー、程度にゆるく眺めていただければ幸いです。