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生まれた直後に捨てられたけど、前世が大賢者だったので余裕で生きてます  作者: 九頭七尾


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第329話 大浴場へゆかん

 ファナ、アンジェ、オリオンの三人が、無事に二次試験を突破した。

 いよいよ次の最終試験に合格できれば、Sランクに昇格となる。


「最終試験は本部の地下にある訓練場で行います。ただ、これから試験官の調整を行いますので、しばしお待ちいただきたく。一応、試験は明日の予定ですが、場合によってはもう少しかかる可能性もございますのでご了承ください」


 詳細は分からないが、最終試験にはランディア以外の試験官が必要で、どこかから連れてくるようである。

 ひとまず明日の予定時間まで、飛空艇で休息することに。


「お疲れ様! なかなかハードな二次試験だったね! 疲れたし、汗も掻いたでしょ! 大浴場でゆっくりお湯に浸かってきたらいいと思うよ!」

「ん、そうする」

「あんたまた勝手に入ってくる気じゃないでしょうね?」

「そんなことしないよ!」


 飛空艇の整備をしていたら、うっかり足を滑らしちゃってお湯に落下する可能性はあるかもしれないけどな。


『故意でない限り、そんな可能性はありません』


「私は師匠がいても構わない」

「それはあんただけでしょ。まぁ、お風呂でのんびり身も心もリフレッシュしたいっていうのは間違いないし、入ってくることにするわ」

「うーん、やっぱりぼくは遠慮したいかな……」

「心配しなくても、もしこいつが来たら全力で船から放り出してやるから大丈夫よ」


 大浴場からだけでなく、船からも放り出されるらしい。


「さらにこうして、と」

「っ!?」


 アンジェが土魔法で作りだした拘束具で、身動きを封じられてしまう。


「幼気な赤ちゃんに何をするんだ!?」

「あんたのどこが幼気よ。リル、あんたこいつを見張っておきなさい。どうせすぐに抜け出せるだろうから」

「我は、我が主の命令に従う」

「……フェンリルだから、女の味方ってわけじゃないのね」

「ならば拙者に任せるでござるよ!」

「あんたはポンコツだから頼りにならないけど……いないよりはマシね」

「拙者いま、かなり辛辣なことを言われなかったでござるか!?」


 地面に転がされる俺を放置し、三人は連れ立って大浴場へ。


『ふっふっふ、まだまだ甘いな、アンジェ。この程度の拘束具、簡単に抜け出せるどころか、自分そっくりな人形と入れ替わることによって、むしろ完璧なアリバイにしてやるわ!』


 こんなこともあろうかと、本物と瓜二つなレウス人形を作っておいたのだ!


『まさかとは思いますが、夜中にこっそり作っていたアレですか?』

『ご名答だ、リンリン』

『……かなり美化されていると思いますけど、どこが本物と瓜二つなのでしょうか?』

『いやいや、どこからどう見ても完全一致しているだろう!』

『本物はもっと下膨れしていますし髪も少ないですし何より内面から変態性が滲み出るような気持ちの悪い笑い方をされています』

『そんなこと言って、俺に作戦を断念させようという魂胆だろう? 悪いがそのくらいお見通しだ!』


 俺はリントヴルムの忠告を一蹴すると、転移魔法で拘束具から逃れると共に、身代わりとしてレウス人形を拘束具に。


「さあ、いざ、大浴場へゆかん!」

『そのまま突入する気ですか?』

「まさか、そんな蛮勇を冒しはしない。それだと人形を置いてきた意味がないしな。この通りだ!」


 俺は変身魔法を使った。

 身体はそのままに、顔だけ少し弄った形だ。


『……別の赤子?』

「そう! レウスじゃなくて、他の赤子がお風呂に入ってきたということにする作戦だ! これなら、三人とも警戒せずに俺のことを抱っこしてくれる! はっはっは、我ながらなんて天才的な作戦だろう! こんな完璧な方法を思いつくなんて、自分が恐ろしい!」

『私も恐ろしいですね、こんなアホなマスターを持って』


 俺は堂々と脱衣所に入ると、服を脱ぎ捨てて生まれたままの姿に。

 そうして勢いよく浴室へと飛び込んだ。


「僕の名前はハンク! レウスの弟だよ! お姉ちゃんたち、一緒にお風呂に入ろーっ! って、あれ、床が……」


 浴室に入ってすぐの床に、なぜかぽっかりと穴が開いていた。

 浴槽の中に浸かりながら、アンジェが呆れたような顔でこっちを見ていて、


「こんなこともあろうかと、ダーナに頼んで密かにトラップを作ってもらっておいたのよ」

「ちょっ、なんで勝手に!?」


 だがこの程度のトラップ、俺なら余裕で回避でき――


「ぶべっ!?」


 ――ると思った次の瞬間、頭上から降ってきた岩に激突、そのまま穴へと落ちていき、セノグランデ号・快から放り出されてしまう。


『宣言通りでしたね、マスター』

「レウスの弟なのに! 何でバレたんだ!?」

『せめて弟の伏線くらい張っておくべきかと』


 すぐに空中で体勢を整えると、すぐに船に戻ろうとして、


「えっ、セノグランデ号・快が勝手に逃げていく!? ちょっと待って!?」


 本部の上空に停泊していたのだが、どうやら誰かが手動操縦を始めたらしい。


「お、追いつけない! 性能をアップさせ過ぎた! くっ、リンリン、サポートを!」

『ふああああ、少し眠くなってきました』

「おおおおおおい!? そ、そうだ、転移魔法でっ……って、無理だ! 対象が動いていると難しい!」


 転移魔法は、座標が動き続けているものには使えない。


「こんなかわいい赤ちゃんを一人お外に放り出すなんて、あんまりだあああああっ!」


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生活無双
12月17日発売!!!
― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます 紐で縛って船の下に吊り下げた上で、船を動かせば きっと変態ベイビーを封じ込める事が出来ますね (๑•̀ㅂ•́)و✧
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