七駅フレンド
今回の紹介作品は、アルファポリスさんの短編作品「七駅フレンド」です。
アルファポリスというサイトはレビュー機能がありません。そこで、代わりにあらすじを紹介しておきます。
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あらすじ。
言葉に問題をかかえた二人の物語です。よろしければ。
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短いよ作者様!
こんなに素晴らしい作品なのになんてもったいない!
本作は、アルファポリス主催第二回ほっこり・じんわり大賞の優秀短編賞受賞作品です。
失声症という、声を出せなくなる病を煩った主人公と、先天性の聴覚障害を抱えた女子高生──詩織の二人が、の交流を描いた青春物語です。
二人は(主人公は一時的なものとはいえ)共に声を出せないため、互いに興味を持つようになり、通学時間の電車の中で、手話やジェスチャーを使った交流をしていくようになるのですが……?
中心となる登場人物が二人とも声を発することができないため、会話文はまったくなく(一部、心の声こそ、ありますが)、地の文オンリーという独特の構成で物語が展開していきます。
会話文中心=読みやすい。
地の文中心=読みづらい。
という印象を持つ方も多いのではないかと思いますが、本作を読めばそんなことはない、ということに気づくことでしょう。短い文節が結構多いのですが、とかく情報の出し方、文章の構成が秀逸なので、とても読みやすいのです。
しかし、主人公が患っている失声症は一時的なもの。カウンセリングなどでストレスが緩和されていくと、病も緩和されていきます。
声が出せるようになるということは、本来喜ばしいことのはずなのですが、それがむしろ二人の接点を希薄に変えていって……?
人間が本来持っている、弱さ。醜さ。身勝手さ。そういった負の部分と、同時に、それでも反省して前を向くことができるという人間の尊さ。
そういった複雑な人間の心情を、僅か一万七千文字という短い物語の中に色濃く詰め込んだヒューマンドラマです。
今まで私が読んできた短編作品(三万文字以下と勝手に定義していますが苦笑)の中でぶっちぎり一位評価をしている本作。
是非、触れてみませんか?
人の心は醜いけれど、反省して前を向けるからこそ尊いのです。
ようこそ、『七駅フレンド』へ!
※こんな人にオススメ
・短編作品を探している方
・ヒューマンドラマが好きな方
・構成が巧みな物語が読みたいという方
作品名:七駅フレンド
作者名:ツチフル様
ジャンル:大衆娯楽
作品URL:https://www.alphapolis.co.jp/novel/548219847/494288514
※掲載サイトは、アルファポリスです