君ともう一度、はじめから
時には立ち止まってみても、いいじゃないか?
投稿日:2020年011月06日 09時53分
互いに恋愛感情を抱かず、それでも同じ屋根の下で暮らす俺とヒカル。
そんなアパートの一室で舞台は幕を開けます。
主人公〝俺〟のちょっと独特な語り口調で綴られる物語は、彼の思考のみならず、行動までちょっとズレていて? またそれは、同居人のヒカルも同様だった。
何故、二人の言動がズレているのか?
それがわかった時、謎の全てが腑に落ちることでしょう。しかしここから物語は急展開。衝撃の結末を迎えます。
生きるという事の意味。
人を愛するという事の本質を考えさせられる本作。
気になりましたら、是非お手に取って、二人が辿った結末を見届けて頂けると幸いです。
また始めよう。このアパートの一室から──。
*
互いに恋愛感情の無い二人「俺」と「ヒカルさん」が、アパートの一室で共同生活を営む物語です。
この作品の魅力を簡潔に語るとしたら……第一に巧みな言葉遊び。
ふたつめに、構成力高い物語でしょうか。
弁当箱。ない。
水筒。ない。
レジャーシート。ない。
フリスビー。ない。
バドミントンセット。ない。
あと、気力もない。
これは主人公らがピクニックに行こう、と思い立った時の一幕ですが、しっかりオチまでついて面白いですよね。いや、それピクニック行けないやん! と突っ込みを入れたくなります。
こんな感じに、主人公の感性がとにかく面白い。そんな捉え方をするのか? そんな表現方法をするのか? どこかズレた独特の切り口で、物語が展開していきます。
ところが、感性がちょっとズレているのは、同居人である「ヒカルさん」もまた同様。
ネタバレになるので細かくは書きませんが、何故二人は共同生活をしていたのか? 何故彼らの感性はちょっとズレているのか? こういった謎が明かされていくと、「なるほどなあ」と納得すること請け合いです。しかし物語は中盤以降一変。驚愕のラストが待ち受けます。
十万字以下と読みやすい長さで纏まっている本作。読んで後悔しない、オススメの文芸作品ですよ。
※こんな人にオススメ
・シュールな笑いが好きな方
・どんでん返しのある作品が好きな方
・表現力の高い作品に触れたい方
作品名:君ともう一度、はじめから。
作者名:服部ユタカ様
ジャンル:文芸〔純文学〕
作品URL:https://ncode.syosetu.com/n0333go/