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拝啓、普通が嫌いな僕達へ

『あなたの目に見えるソレは、本当に普通ですか?』


 普通であることを嫌いながら、それでも本心を内に秘め普通を装う少年蒼 (そう)。

 意図的に奇行に走ることで、積極的に普通ではない自分をアピールし続ける少女藤咲 (ふじさき)。

 誰よりも普通である事を嫌い、しかし反撥心を、異なるアプローチで表現していく二人の物語です。


 ひょんなことから接点が生まれた二人は、次第に仲良くなり一緒に行動する時間が増えていきます。

 ですが、どんな奇行をしていても、それが結局誰かの普通に嵌るかもしれないと気付いた日から、藤咲は苦悩を抱えることに。


『普通』とははたして何なのか?

 規律に従って生きる事が、異常と思われない行動をとる事が本当に普通なのか?

 世の中に蔓延する、「普通であれ」という考え方に一石を投じる作品です。

 二人がどんな結論を見つけたのか。是非見届けて頂けると幸いです。


『普通』の考え方について、ちょっと見直してみませんか?



 今回紹介する作品は、『そらちょまる』さんが執筆された短編小説、『拝啓、普通が嫌いな僕達へ』です。みたび短編の紹介となります。

 本作の魅力というのは、短編ゆえわりとシンプルに表現することが可能です。


(1)主人公とヒロインの、考え方の違いが明白になっていること。 

(2)双方、作中で心情の変化が生じていくこと。


 もう、これに尽きるような気がします。

 良い作品に共通している特徴として、読者に伝えたいテーマが見える。登場人物の行動指針がしっかりしている。作中で、変化が生じる。(心情であり、状況であり)というのがあります。


 さて本作。行動指針という面でいうと、ヒロインの行動には少々──どころじゃなく(笑)不可解な要素があります。

 ですが、突飛な行動をするというのがむしろヒロインの行動指針でありますし、その突飛な行動ですらも、ヒロインの魅力なんじゃないかな~と思いました。一方で主人公の行動指針は、自己を隠して『普通』に振る舞うこと。

 一見すると、キャラが薄いように感じられますが、これはこれで、しっかりとキャラが立っているのですよね。お互い『普通』をなにより嫌っているのに、アプローチがまったく異なる所が、本作の面白さだな、と感じました。


『普通』である事に抗い続ける二人の姿を通じて、『普通』とはいったいなんなのか? というテーマについて、もう一度考えてみませんか?


※こんな人にオススメ

・ヒューマンドラマが好きな方

・良質な短編作品を探している方

・心情描写が丁寧な作品を探している方


作品名:拝啓、普通が嫌いな僕達へ

作者名:そらちょまる様

ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕

作品URL:https://ncode.syosetu.com/n8946gq/


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