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思わぬ味方

「私はアウラ・カーマインこのかたの侍女をしております。」

えーと、これはどんな状況?

いきなりカトレアの侍女さん、アウラさんが私にすごい勢いで頭を下げてきたんですが。

「リュ?」

「ちょっとアウラ、どうしてこんな蜥蜴もどきに頭を下げているの。」

ちょっと、蜥蜴もどきって!

「リュ!」

「度々申し訳ありません。

カトレア様には後で私が言いますので、どうかお許し下さい。」

「なっ!」

 アウラが更に頭を下げたことで、カトレアは限界だったのか近くのソファにドカっと座りそっぽを向いてしまった。

 アウラさんが尚も頭を下げて謝っているため、私も手を上げて許す事を伝えると、アウラさんは胸を撫で下ろし「ありがとうございます。」と笑った。

 それから、アウラさんに案内されソファに座ると、アウラさんは紅茶を出してくれた。

「リュ!」

ありがとうと鳴くとアウラさんは笑顔を返してくれた。

さてと、この目の前の我が儘姫様はどうしたものか。

顔に出さずに考えていると、ヴィル様が口を開いた。

「今日は、依頼主への挨拶だけなのでこれで失礼する。」

丁寧にかつ早急に挨拶を済ませると、カトレアは目を潤ませヴィル様の足元に座り込んだ。

「そのような他人行儀な挨拶ではなくいつもの様にカティーと呼んでは貰えないのですか?」

恐らくこの時点でその辺の男なら落ちていたであろう言葉をヴィル様に投げ掛けると、ヴィル様は微動だにせず「そのように呼んだことは無いはずだが。」と返した。

それでもなお食い下がるカトレアにヴィル様は無理矢理話を切り上げ、私を抱えてそそくさと部屋を出てしまった。

疲れた様に壁にもたれ掛かり、肩に乗せていた私の頭を撫でると、安心したように肩の力を抜いた。

「リュー。」

疲れたー、しかしあの子はしぶとそうね、私が嫌いみたいだしヴィル様に乗っていれば大胆な事は出来なさそうね。

頭の中で新しい作戦を練っていると、寄りかかっていた壁から背中を離して何処かに歩き出した。

ヴィル様が向かった先は王宮の中にある竜達の遊び場だった。

様々な色の竜はそれぞれがのびのびと羽を日に当てており、数匹は鬼ごっこや水遊びをしていた。

「リュー!!」

ワクワクしながらその光景を眺めていると、近くの小屋から騎士の格好をした男性が走ってきた。

「お待たせしました。

その方が例の白竜様ですか?」

そこそこ早く走ってきたと思ったが、騎士の男性は息を切らずにそこにいた。

素晴らしい体力に驚いていると、騎士の男性はその場にしゃがみ、私とヴィル様に向かって嬉しそうな眼差しを向けた。

「よくぞ生きていて下さいました。

勇者殿もよくぞ保護して下さいました。」

なんか、どこに行ってもお礼を言われるな。

それに、私さっきから気になっているんだけど勇者ってヴィル様の事?

もしかして私、この世界で最強の人の使い魔になったとかですか?

そんな自分の考えを肯定するように竜舎の騎士が私を抱き上げた。

「良かった、勇者様が契約者なら安心ですね。」

「リュ!?」

やはり、勇者様はヴィル様でしたか。

ため息をつき、少ししょんぼりしていると、私を抱き上げた騎士が不思議そうに首をかしげた。

「何です?勇者様が契約者じゃ嫌なんですか?」

だって、大変じゃないですか。

自分だって、戦わなくちゃいけない敵がたくさんいるのに私を守りながらなんて。

「何を考えているのか分からないが、俺はお前が使い魔になってくれて良かったと思っている。」

「リュ... 。」

ヴィル様...はい、私もヴィル様がご主人様で嬉しいです!

ヴィル様大好きです!

改めて宣言してもらえた喜びがら、私はヴィル様にしがみついて帰ったのだった。

今回も読んでいただきありがとうございます。

時々いただくコメントや間違いの指摘で楽しんで読んでいただいいているのが実感出来て凄く嬉しいです!

これからも頑張りますのでよろしくお願いします(*≧▽≦)

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