表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の嫌がらせが恩情で、愛らしい!  作者: 匿名希望
Chapter:1
4/19

4 ロイド・ヴァーミリオン

 そうして黒板を使い口頭で授業が進められあっという間に使役魔法の授業も終わり、帰ろうとしたところで“凄い人”から声をかけられた。


「アリス君、ちょっと話さないかい?」

「じゃあ私先戻ってるね」

「あ、うん」


 クレアに気を遣われたみたいだ。

 私に話しかけてきたのはロイド・ヴァーミリオン様。この国の第一王子とも呼ばれる偉い人だ。薄い金髪、卵色といえばいいのかわからないけど、綺麗な髪の色をしている。目は碧色で、ザ・イケメンな見た目をしている。恐らく、その姿は一番人気になり得るだろう。

 何故こんな人に話しかけられているのか私には想像もつかない。恐ろしいものだ。主人公補正、というやつだろうか。


「授業、魔法が使えて凄かったね」

「ありがとうございます。でもまだまだですよ」

「謙遜しなくてもいいよ。才能があるのかな、魔法に慣れてない人があんなに簡単に使えるのは凄いことなんだよ。僕達王族とか貴族は昔から魔法とは馴染みがあるからね」

「そうなんですね。中々知らなくて」

「ああ。だから少し恨みを買うかもしれない。気をつけたほうがいいよ」

「恨み……」


 じゃあ、もしかしてフェリア様も……。

 でも魔法を使う前から目をつけられていた気がする。確か、始めての授業の時、教室を間違えて教えられ遅刻しそうになった。無駄に遠回りをしたんだよな。それからクレアは目の敵にしちゃってるけど。もしかしなくてもフェリア様はただ平民をイビるのが好きなのか。


「深く考えすぎないでいいよ。ただ何かしらあるかもしれないし、注意はしておいてってことさ」

「はい……」

「君は、フェリアのことをどう思ってるかな?」

「え……っ!?」


 まさかここでこれを聞いてくるとは。

 もしかして、ロイド様はこちらの味方なのかな。だから恨みという単語を出して、気をつけてと注意喚起をしてくれたのか。でも、このフェリア様とロイド様は仲良しって聞くし、安易になにか言うのも恐ろしい。

 ──そうか、話しかけてくる理由が分からなかったけど、二人して私を嵌めようとしているのか?

 でも、どう答えるのが正解なんだ。もうわからない。この国腐ってるよ。とりあえずありきたりなことを言っておこう。


「高貴な人だな〜って。どうしてそんなことを?」

「あはは。あんまり勘違いしてほしくないなって思ってね。かなり不器用だから、伝わってないだろうなとは思ったけど」

「勘違い?」

「ごめんね、ボクのほうから謝っておくよ。もしなにかあったら相談してね。何か力になるから」

「はあ……」

「引き止めてごめんね。お友達にもよろしくって伝えてほしいな」

「わかり、ました……」


 それだけ言って去っていったロイド様。

 真面目に伝えたいことは何一つとして伝わらなかったけど、私は取り敢えず教室に戻ることにした。

いいね、評価、コメント等よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ