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「平民、ここにいたのね」
「フェ、フェリア様……」
そこには呆れたような、怒っているようなフェリア様の姿があった。
「えー、一体そんなに怒ってどうしたんですかねー?」
「…………まあいいわ。わたくしもご飯を一緒に食べます。」
「えっ……。」
なんと気まずいことだろうか。だってさっきまでフェリア様の話をしていたのだから。
「フェリア様、お忙しいのでは?」
「ご飯くらい食べます。」
「不味いですよ?」
「ここのシェフはその辺の料理人とは違いますよ?」
「さいですか……」
これは譲ってくれなさそうだ。
「フェリア様、お料理お待ちしました」
「リリ!?」
リリがフェリア様と自分の料理を持ってこちらに来た。置かれたのは、オムライスとハンバーグ。フェリア様はオムライスのようだ。
「リリ、パシられてるなら私が助けになるから」
「クレアは本当にわたくしのことが嫌いですわね」
「フェリア様とは仲がいいから大丈夫だよ〜」
「ならなんで……。いいわ、あとで聞く」
「本当のことなのに……」
「フェ、フェリア様はオムライスがお好きなんですか?」
「そうね、平民よりは。」
返事が微妙すぎる。どうしようこの空気。
「そ、そうなんですね〜。じゃあ好きな食べ物は?」
「オムライスよ。」
「ほぇ〜」
そりゃ私より好きですよね。知ってました。
「それより、クレアはフェリア様のことを目の敵にし過ぎだよ〜。リラックスリラックス」
「それ本人の前で言う?」
「クレア、あんた本人の前で言っちゃいけないこと沢山言ってたでしょ」
「平民の僻みなんて気にしませんわ」
「…………」
空気が重すぎる。普通に性格合わなさすぎでしょ。何この揃っちゃいけない四人。
「クレアがフェリア様のこと嫌いな理由って、フェリア様が意地悪っぽいことするから〜?」
「……まあ、その、」
「フェリア様はフェリア様なりの考えがあるのにね〜?」
「煩いわ、第二の平民。」
「フェリア様こわ〜い。今日アリスと帰ってみたらどうですか?」
「へ?」
「ちょっとリリ、私がそれ許さないんだけど!」
「……それも良いかもしれませんわね」
「う、うそ……」
「私が許さないって!」
「クレアが決めることじゃないでしょ。アリスだよ〜」
わ、私が決めるって。
フェリア様と帰るか、私が決めろと!?
「ね、アリス。いいんじゃなぁい?」
「アリス!!」
「…………」
ちらりと横目でフェリア様を見ると、黙ってオムライスを食べていた。
それから私の視線に気がつき、目を合わせて口を開いた。
「平民。」
「……ご一緒させていただきます」
今日の日を後悔するだろうか。
私は静かに天井を仰いだ。
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