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デパートの恐怖 〜ありえない出来事〜

作者: 神名代洸

エアコンだけでは暑さを凌げない為、今は扇風機もまわしている。そう…熱帯夜だ。

汗が首筋をつたい降り、僕は扇風機の前に陣取ってその風を感じてしずんでいた。


「ハァ〜。暑いなぁ。ったくいつまでこんな暑い日が続くんだ?」


僕は扇風機の風を感じて目を瞑っていた。

こういうときには涼しくなる場所に行くに限るとデパートに向かった。けどね?みんな考えることは同じで駐車場は車がギッシリと詰まっていて停められる場所を探すのが大変だった。

どうにかこうにか回り回って停められる場所に車をとめ、デパートの中へ。

それほど涼しくはなかった。

もうちょっと涼しいものだとばかり思っていたのにちょっと当てが外れた。

でもね?このデパート内では小さな暗黒迷宮というもようしがあり、そこは涼しかった。

1人で入るのはためらわれたが、涼しい場所に居たかったので1人で中に入っていった。


真っ暗な中どこをどう歩いているのかもわからず、ただただ真っ暗な闇の中に1人だけポツンといるように感じ寂しいというかちょっとだけ怖く感じた。

別に閉所恐怖症というわけじゃないよ。

ここは広そうだし…。

ただ視界が全くわからない為、壁伝いに歩くことにしたんだ。

途中デコボコしてたから柱か何かあったんだろう。

幸いにも誰にもぶつからなかった。

それだけはホッとできた。


その時ふと感じた。首元に人の吐く息を…。

突然の事だったのでビックリして思わず悲鳴をあげたが、相手は悲鳴1つあげていない。静かだったから。

相手は驚かなかったのかとガッカリしたところだったのだが、肩を叩かれた感じがして思わず振り返った。でもね?視界が悪い為見ることが出来ないと思い直して正面に意識を戻そうとした時目の前に真っ青な顔をした男性がボーッと立っているのを見てしまった。

多分真っ青だったと思う。

いくら目が慣れてきたとは言えはっきりとはわからなかったのだ。


そういうイベントかと思ったんだけど、真っ青な男性はこっちにおいでよと手招きする。

なんで真っ青ってわかったかって?だってそこだけ周りが青かったから…。

本当なら暗くなきゃおかしいのにその時の僕はなんの疑いもしなかったんだ。

でね?何かに引っ張られるようにその男性のところに近づいていく 。

なんか急に怖くなって僕はその場から逃げようとしたのだが、体は言うことを聞いてはくれなかった。

足がどうしてもそちらを向いてしまう。


「わぁ、わぁ〜?!」


思わず叫んだのだが、係員すら現れない。

確か入り口に2人いたはずなのに…。

僕は怖くて怖くてガタガタと震えてた。

でね?そのときふと思ったんだ。携帯の明かりを使えないかって。

ホントはそれはやっちゃダメなんだけどね。

そんなこと構ってられなかった。

だって怖いんだもの。



この心臓の鼓動が早く落ち着いてくれないかと思ったんだけど、なかなか思うようにはいかないようだ。携帯を触り、明るくしたのだが目の前のその男性はやはり青かった。

これは本当に幽霊かもと本気で怖がり出したが、体はまだ言うことを聞いてはくれなかった。

本気でヤバイって思ったとき後ろから肩を叩かれた。


「お客さん、それはダメですよ。明かりはなしです。」

そう、やっと係員がやって来たようだ。

振り返ってあの男性がいた場所を見直した時そこには何もなかった。

怖くなった僕は慌てて出口に向かった。

そして、迷宮から抜け出したのだった。

別の意味で怖かったが暑さはすっきりしていた。

でも2度と入らないと決めた。

だってまたあの男性が現れたらやじゃん。

一体なぜ?


係員に聞くが、その時確かに僕以外誰も中に入った人はいないと言ってたっけ…。

もうデパートはいいやと思い自宅は帰路したが、何気に鏡を見た時背後にあの男性の姿を見た気がした。

マジ勘弁。


でもさ〜、現れたのはその時だけだったからもういいかなと思ってる。


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