レガシィ リュウの伝承6
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『ガレージ正面門、開けるぞ。
慧人、追いて来いっ!。
スニフっ!。用意出来た甲冑は何機だっ!。』
『隊長、4機です。
自分とエド、ジル、バル。
リード、ウェス、テウは準備に手こずってます。』
『今、行けるヤツだけ追いて来い。
スニフは三人が準備出来次第門で
合流するよう統率して来いよ。』
『了解しました隊長。』
『警戒門より 隊長サレフ。
竜供の足が速い。
もう交戦が始まっちまう。
加勢まだ間に合わねぇか?。』
『なにっ!そんなにかっ!。
竜の数は幾つだ。』
『今、目視で20!。
中にゼルバヒュドラが混じってる。
とにかく急いでくれ。
こっちの戦力だけじゃ確実に
持たねえ。』
『分かった。
慧人、俺たちだけ先に飛んで行こう。
エド、ジル、バルは
後から出来るだけ急いて来てくれ。
よし、ラルファ飛ぶぞ。』
『了解。』
ミレイノ サフィニアの背部
マニューバ スラスターに
青白い重力制御光素子が集まり
滑らかに機体を飛翔させる。
それにネイ シーティス スプレマシーも
続く。
『スゲェな。
これが飛ぶって事なのか。
しかし速えな。
もう門が見えて来やがった。
この高さだとヤツ等も丸見えだぜ。
ココからヤツ等 狙えねぇかな…。』
『マスターサレヒュト。
スレイブ チャンバーへ
フェルミオン ブラスターを用意。
このウェポンならこの位置より
適性をロックオン可能。』
『よし!。狙い撃て。』
『マスター 射程に入りました。』
『ネイ、
フェルミオン ブラスターで
適性のコア エーテルラインのみ
狙い撃てるか。』
『可能です。
適性エーテルラインのみ
断ち切ります。』
『FIRE!。』
20以上の竜(この世界では魔物を全て竜と呼んでいる)を上空より狙い撃つ。
サレヒュトも慧人も一頭を一撃で
無力化して行く。
フェルミオン ブラスターは本来
高出力のエネルギー粒子砲だが
最大効率化を図る為に
効果最小出力に抑え使用する。
これは竜を倒した後に竜玉と呼ばれる
コアを取り出し利用する為でもあるのだ。
竜の群は、ほぼ壊滅したが
最後に一際大型の竜
ゼルバ ヒュドラだけは
無力化されず生き残っている。
とりあえず警戒門への進行は食い止め
ゼルバヒュドラは手前10ネリド
(1ネリド=50m)の所で此方を伺っている。
『慧人、ヤツにエネルギー粒子砲は
効果が薄い。
ヤツはこちらのシールドと同等の
ゲル化シールドを持っている。
実体弾も貫通力が相当なけりゃ
通らねえぞ。
それにヤツは………。』
サレヒュトより
ゼルバヒュドラの特性が説明される。
上空をゆっくり旋回している
ミレイノ サフィニアと
ネイ シーティス スプレマシーへ
ゼルバヒュドラから
生態エネルギー砲が放たれる。
『来たぞっ!。』
しかしこの砲撃を二機は余裕を持って躱す。
ゼルバヒュドラはこの砲撃を
己のコアを一時剥き出しにする事で
可能としていた。
つまり砲撃の瞬間が読み易いのだ。
『サレフ、
爆縮フェリアで牽制してみます。』
慧人がスレイブチャンバーへ
爆縮フェリアを用意するよう
ネイへ思考にて命令を出した段階で
ゼルバヒュドラは進行を諦め
門より遠ざかりやがて地中へと
消えて行ったのだった。
『ふぅ。なんとか撃退出来たぜ。
慧人、警戒門へ寄ってくれ。』
『了解です。』
二機が上空より警戒門脇へ
降り立つ。
警戒門に配備されていた甲冑は三機。
そこへ村より警戒門へ向かった隊の
残りの甲冑も丁度到着した。
『お疲れ様です隊長っ!。
凄いっ!凄いや。
なんだありゃ。
空、飛べるって いったいどーなんてんだ!。』
『驚きましたぜ。
何ですかあの竜みてぇな砲撃は。
あっと言う間に20も退治しちまって。』
『つぇぇ!。つぇぇよ。
もう20頭の竜なんて相手じゃねぇな。
なあ隊長よ。』
『おお!。
其れとそっちの甲冑は何なんだ?。
隊長の親戚か何かか?。』
隊の甲冑乗りが賛辞を贈りながら
サレヒュトと慧人を取り囲み
わらわら集まって来る。
『おう!。皆ご苦労だったな。
其れと家でしばらく面倒見る事になった
親戚筋の慧人だ。
慧人も優秀な甲冑乗りだ。
戦力としても申し分無し
皆、よろしく頼むぜ。』
サレヒュトが簡単に
隊員へ慧人を紹介する。
それに習い慧人も挨拶した。
『皆さん、しばらくお世話なる
慧人です。
こちらにお世話になってるうちは
いろいろ皆さんのお力になれるよう
励みますのでよろしくお願いします。』
慧人が皆へ頭を下げる。
『おおっ!。強えヤツは大歓迎だぜ。
俺はスニフよろしくな慧人。』
『慧人か。良い面構えだ。
よろしくな。
何処かサレフに似てんなやっぱり。』
………………………
………………
………
しばらくの間その場は
自己紹介と慧人、甲冑の話題で
盛り上がりを見せるのだった。
◇ ◇
この世界は魔物が跋扈して
度々、人の村を襲っている。
大昔は触らぬ神扱いされていた
魔物=竜だったが人は黙って
餌にされている時代は甲冑の登場で
終わりを告げた。
しかし、竜を仕留める為に発達して来た
甲冑だったが人同士の諍い(いさかい)が
激しくなると次第に戦争の道具と
成り下がる事になった。
皮肉にも戦争の道具と化した甲冑は
更なる進化を遂げる事になり
高性能化に拍車が掛かった。
そうしてより強力な甲冑を持つ家柄が
村の権力を握るようになって行ったのである。
これは竜から村を守る為でも有った事により
甲冑乗りは村では更に権威を持つように
なって行ったのだった。
ガンバレ私…




