レガシィ リュウの伝承43 クイズ魂
目指せクイズ王!
『ねえ、クイズって得意?。』
ティエナが三人に向かって質問する
『私はそれなりかな。』
『俺もジャンルによるかな。』
エルニとサレフは無難な回答。
『クイズ?。やった事が無いな。』
慧人の以外な回答。
ゲームや娯楽など殆ど体験する事も無い
生活を送って来たのだから
当たり前か。
『大丈夫かな?!。
まあ、当たって砕けろだよね。
取って喰われる訳でも無いし。
ルールが変則式でカップル女子が
男子の解りそうな問題を早押しし
男子がそれに回答するスタイル。
お互いを分かってないと
上手く行かないわよ。
ただノルマは一問正解するだけでいいから
簡単ね。問題の難易度でポイントゲットで
そのポイントで商品と交換。
優勝だけは副賞が決まってるみたい。
えーと、今夜の花火大会の
最高ビューでのディナータイムだって。
さあ、ガンバるわよ。』
ティエナがルールをざっくり説明してくれる。
男子の負担がハンパ無いが
まあナントカなるだろ的ノリの
内容だった。
会場からアナウンス。
クイズの第1問が出題される。
『さあ、第1問
フルーツを満載したトラックが走っています。
積荷は梨、メロン、スイカ、桃
トラックがカーブで落としたモノとは?。』
少し離れた席で早押しされる。
答えをメロンと回答した。
ハズレ。
ティエナが回答ボタンを連打している。
『もう、全然来ないわね!!。
どーなってんのこのボタン。』
カチカチ方カチカチ…。
いくら連打しても回答権が取れない。
他の席がまた答えを間違えている。
『なあ、とんち問題とかなぞなぞの類は
苦手なんだがなぁ。』
サレフがボヤく。
『慧人、なぞなぞとか得意?。
私苦手なんだよね。』
エルニが困った顔を慧人へ向ける。
『問題無い。
複雑に考えるから出題者の思うツボに
なるんだ。
シンプルで理に叶う回答を模索すれば良い。
答えはスターフルーツではないか?。
ほら、星が降ると言う言葉もあるだろ。
或は流れ星とかな。
どうだ?。具の根もでまい。』
サレフとエルニが
素っ頓狂な慧人の回答にフリーズする。
『あんた、なに言ってんの。
そんな訳無いでしょ。
そもそも荷台に積まれてる
フルーツの中にスターフルーツなんて
無かったじゃないの。』
ティエナの最もな突っ込み。
『いや、なぞなぞとかトンチでは
質問文の中に答えが入っているとは
限らないのだぞ。
にゅきペティアにもそんな事が
書いてあったと思うが。』
『そーかもしれないけど
スターフルーツは強引過ぎるでしょ
いくらなんでも。
もっととんちの効いた答えは無いの?。』
『とんちは効いてると思うが。
スターーーーっ!って響きが
落ちてく感が強いと思うんだがな。』
『なんじゃそりゃーーーっ!!!。』
慧人のこじ付けを聞いた三人が
一斉に突っ込む。
そりゃそーだ。
マヌケなやり取りをしているうちに
他のカップルに回答されてしまう。
『答えは スピード。』
『正解です!。』
会場内が拍手と喝采で
賑わう。
『なるほどな。上手い事を言う。
スターーーーーっ!では無かったのか。』
『そりゃそーでしょ。
私この答え知ってたのにーーっ!。』
『ティエナ凄いね。
私、全然解らなかったよ。』
『回答権が取れなきゃしょうが無い
けどね。全く。
次は絶対回答権取るわよ。』
今回の正解ポイントは50点
このポイントが多いのか少ないのか
判断に難しいが、まあ何か貰えるには
違いない。
気を引き締めて次の問題。
『幼稚園、小学生、中学生、高校生、大学生、
この中で一番大きいのは?。』
ティエナがボタンを連打。
『全然反応しないーーーっ!。
何これ壊れてんじゃないの。』
少し離れた席で回答。
大学生。
間違いだった。
『高校のバスケ部だな。
間違い無い。
火を見るよりも明らかだ。』
『違うと思うがな。
トンチが効いてないだろう。』
慧人のマヌケなボヤキに
サレフの無難な返し。
そりゃそーだ。
『慧人、答え解ってて
ボケてるんだよね?。』
エルニが慧人 贔屓な感想。
好きが溢れていると
冷静さを欠いてしまうものだ。
注意が必要だろう。
『違うわよっ!。バカねぇ。
もっとトンチを効かせなさいよ。
脳を活性化してほらほら。』
ティエナはボタンの連打により
かなり脳が活性化しているようだった。
しかし活性化しても残念ながら回答権は
得られない。
隣の席で回答。
『高校生のバスケ部。』
『残念!違います。
なぞなぞですよ。
良く問題を見て考えて。』
出題者からも激が飛ばされる。
しかし、発想が慧人並みの隣の席。
まさか聞いてたんじゃあるまいな。
『やはり間違いだったな。』
サレフがサラっと慧人の
柔らかいところをえぐる。
『うむ。
どうも問題の発案者と
フィーリングが合わんようだな。
自分としては残念な限りだ。
ウィットが分かっていないようだ。』
それは誰も分からんだろう。
しかし、慧人に柔らかいところなど
無かった。
マヌケなやり取りをしているうち
遂に回答権をティエナがゲットする。
ピポン!!。
『来たわ!!サレフお願いっ!!。』
会場が水を打ったように静まりかえる。
『答えは幼稚園だっ!!。
幼稚園のみ敷地、他は人だからだっ!!
どうだっ!!!。』
『正解です!!。その通り!。
ポイントは5800p!!。』
会場から歓声が響く。
すごーーい!だの
やったーーっ!だの
ポイントも破格だった。
『ねぇこれ優勝なんじゃない?!。』
『ああ、俺たちやったな。
5800pだしな。
こいつは行けたかもしれん。』
『おめでとう〜、
凄いね二人共。
5800p分の商品券も貰えるらしいよ。』
『ありがとう。
しかし最初の問題答えなくて良かったわね。
一度正解すると回答権が無くなるのよ。
50pじゃ割に合わない所だったわ。』
三人が盛り上がっている頃
センタースクリーンに
なにやら難解な穴埋め問題が出題されている。
騒つくこの席の人間とはよそに
周りは問題の難易度に静まり返って
ボタンを押す者もいない。
『ねぇ、貰った商品券で後で
お土産見に行こうよ。』
『いいね、チョコクランチが
名物なんだって?。』
『私はクッキーの方が好きなのよ。』
『えーーーーーっ!
せっかくなんだからチョコクランチに
しようよ〜〜〜。』
ティエナとエルニは
取らぬ狸のなんとやら
既に貰える商品券で
何を選ぶかで盛り上がっている。
『女はお菓子が好きだなしかし。』
『致し方あるまい。
脳もスイーツなのだきっと。』
サレフが普通の感想を漏らせば
慧人は謎の感想を呟く。
サレフがコイツ何言ってんの?
てな顔になっている。
『もう、クッキーなの。
クッキーに決まりなの。』
ティエナの頑固さに
エルニもついテーブルを叩くように
主張してしまう。
『ちがうっ!
誰が何と言ってもクランチっ!!。』
ドンっ!。ポチ。ピポン!!。
(しまったっ!ボタン押しちゃった…。)
『どうぞ!17番のカップルの男性。
回答お願いします!!。』
慧人が周りの緊張感をよそに
無表情ですくっと立ち上がった。
『ツァイガルニク効果と
ダイクストラ・ショーテストパス・アルゴリズム
απόκρυφος=アポクリファ。』
慧人がサラっと回答する。
しかし3行目の答えはロシア語なのか?!。
良く分からないが会場が息をのむ。
ティエナとサレフは
訳分かんねーーっ!と
心の突っ込みを入れた。
『全て正解!!。
三つの穴埋め全て正解の場合
スペシャルボーナスブースト
358000000p!!獲得です!!。
優勝おめでとうございまーーす!。』
『やったーーーーっ!
慧人!すごーーーい!。』
『ハハ、
この程度の問題 造作も無い。』
少し嬉し気に微笑む慧人に
エルニが思いっきり抱き着いた。
優勝商品の花火が最高ビューの
ディナータイム券を獲得したのであった。
この後どーなる?




