レガシィ リュウの伝承42とある世界での1日 ー2
二人っきりなんてどうしたらいいのか…
『男二人は先行って席取りお願い。
私達はちょっと寄る所あるから ね。』
ティエナがエルニの手を引き
何処へ連れ去る。
仕方なく慧人とサレフは
ほぼ無言の無愛想で
イベントの席取りに向かうのであった。
『しょうがない 行こう。』
『ああ。』
女二人で何処へ行ったかの
詮索は無い。
その詮索は無粋な物だと
気の利かないヤロウ供でも
創造に易かったからだろう。
『ちょっとアンタ
なんで私をココに出演させてんのよ。
しかも、なんか性格変わっちゃってるし
サレフとカップルなのは良かったけど
ギリ物言いに値するわよ。』
ティエナがエルニに
文句を垂れる。
最もな感想だとは思うが
ココはエルニの世界。
エルニの願いなら何でも
どうとでも叶ってしまうのだ。
異を唱えたってしょうがない。
しかし、出演させたのには勿論
理由があった。
『えへへ、ゴメンね。
お友達も欲しかったんだもん。
ダブルデートも少し憧れがあったし。
サレフとデート出来るんだから
良かったじゃない。
それより聞きたい事があるの。』
『なによ、早く言いなさい。
二人待たせてんのよ。
気まずくなったらこれから
楽しめないじゃないのよ。』
『あのね、二人でデートは良かったんだけど
これからどうしたらいいか良くわからなく
なってきちゃって…。
ねぇ、どーしたらいいと思う?先輩。』
『先輩じゃないわよもぅ。
あんた今日1日しか無いの分かってるの?。
だったら行くトコロまで行くしか
無いじゃないの。
中途半端で未練が残ってもいいの?。
もう慧人君に会えなくなるのよ
いろんな意味で。』
『そう…だよね。
今日しか無いんだもんね。
うん、分かった。
よ、良しガンバるぞーっ!
行くトコロまで行く
行くトコロまで行く 良しっ!。』
エルニは気合いを入れなおした。
チャンスは今日しかない。
分かってはいてもまるで経験の無い
エルニには集めた知識を実践に
結び付けるスキルがない。
しかし、そんな事では
丸っと未練が残ってしまう。
そしてそれに抗う為
行き着くトコロを決めたのだ。
キチンと分かっていればいいが大丈夫か?!
と思うティエナと作者であった。
『あんた、ガンバんなさいよ。
私も友達役、いや友達として
応援してあげるから。
悔いの無いようにね。』
『うん、ガンバるよ。
もう迷わない二人の時間を大事にする。』
『会場に戻るわよ。
オシッコするなら早く済ませなさいね。』
『無いわよバカっ!。
ちょっとリップだけ引き直す。』
簡単にリップを直して
化粧室を後にする二人。
会場には四人席のデーフルに
陣取る慧人とサレフの姿が。
見回す二人へ慧人が声をかける。
『こっちだ。
良かったイベントに間に合ったな。
食事もこれから配られる。』
『遅くなってゴメンね。』
『いや、問題無い。』
二人が席へ着くと
コース料理が次々と運ばれてきた。
そしてカップル限定のイベントのメイン
クイズDEベストカップルが
始まるのであった。
そう、暴走するように突き進むのだ




