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リュウのケイトウ レガシィ  作者: きでひら弓
29/53

レガシィ リュウの伝承29 迩椰のあの日の想い

慧人を失った現在時空

ティタと迩椰は一所懸命に慧人を探していた。

その頃

慧人が元居た時間軸

マザーキャッスル。


ME マザー アースこと

歌詞宮 いなほの指導の下

ティタ、迩椰により

慧人が避難した時空の捜索を行っていた。


トレイトより受けたマナドレインにより

完全に復活していない慧人のマナを読み取り

捜索を行えるのは慧人の巫女となった者を

おいては他には居ないのだ。


現時点では慧人の希薄なマナを感知するには

専用のシステムを持つ者に限られる。

ネイ イザナミ カレブの

コントロール シリンダーのアシストが

無けれ実行は不可能だろう。


つまりは専用のアシストシステムを持つ

慧人の巫女であるティタ、迩椰が

ほんの一縷の頼みの綱と言う訳なのだ。


ティタと迩椰は

シリンダー内で精神を研ぎ澄ます。

そして想い巡らせ願う。

どうか、慧人ともう一度 逢えますようにと。

その想いだけが二人の支えとなって

捜索を続けさせていた。


慧人回収プロジェクトを開始して半年

もとより捜索が難航する事は予想されていた。

マナを大量に失い存在が希薄になった

慧人は今や目の前に有っても

見えぬ空気も同然だったからだ。


しかし遂に迩椰がほんの小さな

反応を見つける。

それはまるで大海原で笹舟を

見つけるのに等しいものだった。


『慧人、見つけた。

やっと見つけた。』


迩椰のつぶやきはシステムを介して

ティタ、いなほにも伝えられる。


『迩椰、見えるの?。

ねぇ慧人さんが分かるの?。』


ティタが問う。

慧人を想う全ての者に成り代わり。


『うん。慧人だ。

今、慧人も迩椰に気付いた。

ほんの一瞬だったけど。フフ。』


二人は時空を超えて

一つに繋がった。

それは一瞬の事であったのだが。

それでも今の迩椰には

微笑まずには居られない

最高に嬉しいひと時だったのだ。


『ねぇ迩椰、

リンクして私にも見せて。

そうしたらもう私も放さないから。』


『うん、ティタも一緒に掴まえて。』


『お願い。

システム アシスト リンク 迩椰。


あっ!。…………これ…。』


ティタは慧人の気配を感じると

その姿と同時にある一つのイメージが

大きく心に広がり安心に包まれるように

優しさに呼ばれるように其処へ

辿り着いたのだった。


『ティタ、慧人掴まえた?。』


迩椰は嬉し気に

草原に寝そべり微笑むように

ティタにそっと尋ねた。


『迩椰、あれ。

慧人さんにあの日

迩椰が渡した………。』


それはみんなを幸せにしたいと

願った迩椰の想い。

其れを形にしたい物。


『うん。

迩椰と同じの慧人に持っててって

あげたの。

迩椰もずーっと持ってる。

ティタもまだ持ってる?。』


『うん。

だって とっても幸せな想い出だもん

失くす訳ないよ。


ウフフ良かった。

あの日あの公園の…

みんなの想い出。』


『そう、あの時の

四つ葉のクローバー。

迩椰が慧人の為に探した

大事な想い出の小さな葉っぱ。』


遠く離れた二人を繋いだ物は

迩椰の優しい想いが込められた

小さな四つ葉のクローバーだった。


繋がった二人

見つけたのは想い出の四つ葉のクローバー。

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