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黒いローブの者達

ギャハハッ…━━

…ヴォバァァァ


奇妙な呻き声、鳴き声が聞こえる。草木が枯れ落ちた日の当たらない山奥。昔村があったのだろうか、家が所々に見られるが窓は割れ壁は壊され、とても人が住んでいる感じではない。そんな辺境な地に一つの灯りが灯る家があった━━━━



「……っくそ…クソ!クソったれえぇぇ」


「そんなに興奮しなさんな」


「━━━オマエはッ、苛立たぬのかッ!」


「…苛立ちますとも━━━…しかし、まだ我々にも運はございます故」



蝋が灯る部屋の中に男と思われる声が二人。一人は苛立ちを露にし部屋の中を縦横無尽に歩き、もう一人は部屋中央に設置された椅子に座り、じっとしていた。

彼らは共に黒いローブを羽織、道化士が着けるような真っ白い仮面を身に付け、互いに知られぬような装いである。



「…━━━忌々しい…シェガールよ……」


親指の爪を噛みその悔しさ、そして憎しみが滲み出ている。


「期は熟されたのだ…今一度、我らが━━━」


「…その為にはまず、同胞を集めなければなるまい」


100(サン)よ……我らが神の居場所は分かったか」


「はい、我らがマジェステ━━━現在、妖精族の町にいると0(ゼロ)より連絡が…」


「では、0(ゼロ)にはそのまま追跡をさせろ。40(キャラント)貴様はもう少し冷静にならぬか」


「━━━…申し訳、ございません」



トンっ、トン━━━…


「入りたまえ」


二人だけかと思っていた部屋は、実際には三人居たようだ。呼び名もまた不可解━━━そこへまた誰かがやって来た。


「我らがマジェステ…例の物が出来上がりました」


「…ご苦労。では皆、行こうではないか」


『スイ、マジェステ』


それから四人は地下へと続く階段を降りていく。長く続く階段の先には一つの扉があった。手を翳すと紫色に光、ゆっくりと開かれた。中には更に六人の黒いローブを羽織った人達が待っていた。

手には同じグラスを持ち、その手とは逆の手にはナイフが握られている。同じ様に今しがた来た四人にも二つを渡し、皆それぞれ動き出す。九人で円を作り、中央にマジェステと呼ばれていた人物が来ると儀式は始まった…━━━━



「シャージュナル・アニュール・ユセビロン」


マジェステが言葉を紡ぐと又もや紫色に部屋全体が光だした。いや、部屋全体というのは語弊がある。光っているのは足下に描かれた魔方陣だった。


「デュリューム・ネベロ・ガレーテ・イブソシン」


『オン・ジュラバ・ミルルニャーニ・シ・デュラーバ・オン・ネベロ』


九人が共に呪文を唱えると更に光は強くなる。

持っていたナイフをそれぞれが天に掲げ、グラスを持つ手首目掛け切りつけた。赤い鮮血が滲みそれをグラスに流し込む。半分程まで血が溜まると、再び呪文を唱え始めた━━━



「アーバ・ダリュ・ザン…━━━我らが神…破壊神セレーディア━━━血肉を受け取りし…この国に破滅をもたらさん」



その呪文を最後に、グラスに入っている鮮血を魔方陣に向けて落とす。すると更に強く、目を開けていられない程の光に包まれた━━━━


…ザシュ

切りつけられたような掠れた音が一斉に鳴る。黒いローブの者達の手の甲に、先程までなったであろう模様があった。模様の線からはジワリッジワリ…血が滲み出ている。切りつけられて出来た模様それは呪印だった。呪印が表れたという事は━━━掛けた魔法が発動した事を意味する。


「━━━さぁ…行くがいい…我が同士よ!!時は来た…っ!━━━我らの元に、神が舞い戻る時がきたのだ!」


『……スイ…マジェステ』



一斉に居なくなる黒いローブの者達。

部屋にはマジェステ一人になった。自分の手の甲を見て、流れる血を舐め取る。舐め取りきれない血が口の端から溢れ落ちた。仮面に隠れ見えない表情━━━…しかし、舌で口元の血を舐めとる仕草は笑っているように感じられた。


「…あぁ……もうすぐだ…もうすぐで貴女に逢える」


光が消えた暗闇の部屋を…ゆっくりとした足取りで出ていくのだった。



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