移り気
新作投稿です。
更新は月に1回です。
興味があれば、どうぞ宜しくお願い致します。
とある朝の事だった。
2人の男女が散歩をしていた。
「あっ 紫陽花が咲いてるわ。ほら」
一人の女性が振り向き、後ろにいた男性に手招きをしていた。
「紫陽花かい?どれどれ。」
後ろにいた男性が手招きされたほうへと足を早める。
「本当だ。でも、どうして咲いているのだろう。」
「どうして?」
女性は男性の言葉に首を傾げた。
「雨が降っていないだろう。」
「そんな事は関係ないわ。この季節だもの。きっと私達に会いたくて、咲いているのよ。」
「はっはっは。君は面白いこと言うね。」
急に大声を出して笑い出す男性。
「馬鹿にしないでくださいよ。もう…。いいわ」
「ちょっと、どこ行くんだい?」
その場を立ち去る女性を追いかけるようについていく男性の元へ一人の男性が現れた。
「そこの旦那さん、ちょっとお時間いいか?」
その間に女性は先を行ってしまう。
「何の用だい?」
「傘を買ってくれないか?」
男性は、女性を追いかけなくてはと思っていても一人の男性言葉に興味を持った。
「なぜ、傘なんだい?」
「傘が余ってね。この季節持っていても何らおかしいことじゃない。どうだ?」
「買おう、いくらだい?」
「百でどうだ?」
「随分とお安い。買おう」
「ありがとよ。」
安い交渉に男性は、戸惑うことなく買うことに決めた。
支払いが終わると、傘を買った男性は満足そうな顔を浮かべた。
そして、傘を持ったまま男性は女性が向かった先へと歩き出す。
女性は辺りを見渡してある事に気付いた。
「あれ、あの人はどこへ行ったのかしら?」
男性が後を追いかけてくると思っていた女性だったが、
姿が現れなく、辺りをキョロキョロと見渡し続ける。
しかし、一向に現れない。
ぽつりぽつりと雨が降り始めた。
次第に雨が強まってきた。
「あらら、どうしようかしら。」
女性は、突然の雨に戸惑って雨に濡れないように頭を手で覆った。
すると、
誰かの手が伸びて女性の頭の上に傘をかざしては
「ここにいたのかい?」と言葉が聞こえた。
それは、さっきまで一緒に歩いていた男性だった。
女性は顔を上げて男性を見て、
「どこいってたのかしら。まあ、いいわ。」
どこか安心したように言った。
「君はこの天気と少し似ている。」
「どういう事かしら?」
「それは秘密だよ。ははは」
男性は、笑って誤魔化した。
「ふふふ。」
女性は微笑んでいて幸せそうにしていた。
6月の梅雨時の とある出来事。
移り気 end
今回から花言葉を題材に1つ1つ違ったストーリーを更新してまいります。
拙い文章でしたが、これからも更新頑張って投稿致しますので是非宜しくお願いします。
良ければ、感想やレビューお待ちしております。
では、またの更新まで。




