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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
八話:地下のアイドルとフローライト
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佳乃は体が弱い、それ故に外の世界をあまり知らない。

ずっと教室で何気なく観察して気づいた。

佳乃はクラスでみんなとまんべんなく話すけど、とても親しい人間はいない。

彼女は上辺だけであわせているだけなのだ。

話しかけようとしても、思いとどまってやめてしまう。


そんな佳乃を見ながら俺は、あることを思いついた。

翌日の学校、俺はきっと初めてだろうアイツのクラスに向かった。


隣のクラスで、アイツは妙に笑顔で俺に近づいてきた。

昼休みに向こうのクラスに行くのは初めてで、向こうのクラスは昼休みになると生徒が多い。

友達同士で食事したりおしゃべりしたりの和やかな昼休みだ。


「あら、ミツノマルじゃない。あんたからあたしを呼ぶなんて珍しいわ」

それは佳乃と同じ年の純花だ。

お気に入りのヘアピンをつけて、少しご機嫌な純花。


「何胸を見ているのよ!あたしは忙しいんだから」

「いやいや、悪い。純花って友達いるか?」

「なによ、あたしをバカにしているでしょ」

「だったら美術の時間で余ることも……」

「うるさい、いないわよ!」

純花はものすごく不満げな顔を見せた。

リア充高校生活を目指す彼女にとって、友達というのはキーワードの一つと思うが。


「純花は友達になれそうな女子とかいるのか?」

「でもいいの、あたしは学校を卒業したら世界を変える人間になるんだから。

鬼才、天才ってそういうモノでしょ」

「まあ、天才より天災だけど」

「何か言った?あたし帰るわよ」

ふてくされた純花を俺は必死になだめた。


「わるいわるい。で、純花に友達になってほしい人がいるんだ」

「友達になってほしい人?」

「そう、そいつも友達が少なくてな……」

「ふーん、そう」

難しそうな顔で純花がじっと俺の方を見てきた。

眉をひそめて、俺を睨んでいるようにさえ見えた。


「ミツノマルも友達いないでしょ」

「ああ……まあ」

「だからそんな考えをするんだ」

「どういうことだよ?」

「友達って、頼まれてなるものなの?」

「あっ、そか」

純花のいう事は正論だ、なにも間違っていない。

友達になるのに頼まれてなるのはなんだか変だ。


「そうね、それにミツノマルが言うのって伊勢ヶ崎さんでしょ」

「そうだな……分かっていたのか」

「なんか、最近やたらと伊勢ヶ崎さんに対して必死になっていたから。やっぱかわいいから?」

「ち、違うよ。かわいいより……」

「じゃあ胸とか?」

「ば、バカ言うな!」

俺は必死に抵抗して、純花の胸を見た。純花の胸はさすがにAカップと言ったところか。


「何見ているのよ」

すかさず、純花は俺の腕を取って腕ひしぎ十字をかけてきた。

「ゴメン、ギブ!」

「ふん、あたしはどうせぺったんこですよ~」

「何ムキになっているんだ、佳乃はそんな乱暴なことはしないぞ」

「あっ、伊勢ヶ崎さんで思い出したんだけど……知っている?このクラスでのこと」

「何が?」

「伊勢ヶ崎さん、毎日ずっと一人でクラスの出し物を準備しているの。

だけど……なんていうか異様だったわ」

「純花……その話を詳しく教えてくれないか?」

それは純花に聞いて初めて知った。

少し悔しそうな顔で純花は全てを教えてくれた。


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