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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
八話:地下のアイドルとフローライト
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結局、そんなフローライトとの会話には三日かかった。

佳乃と俺との距離感、それは想像以上に遠かった。

ようやく俺はフローライトの方に近づくことができた。

逃げなくなっただけでも大きな進歩だ。


青い部屋、体育座りで顔だけを少し上げたフローライト。

まだ俺に対しての恐怖感があるのかもしれない。

まずは優しく声をかけて恐怖感を取り除かないといけない。


「フローライト……だよね。素敵な名前だね」

「……」

裸のフローライトは体育座りで黙ったまま、再びうつむいてしまった。

どうやって会話を続けたらいいんだ、悩むがこういう時は優しく諭そう。


「俺は新米大臣、君を育てに来た。君を女王にするために俺はここに来た。

なにも怖がることはないんだよ」

だけどフローライトは簡単に警戒を緩めてくれない。


(困ったな、これじゃあ全然話が進まらない)

そんな俺を見てか、フローライトはまた逃げ出した。

這いずりまわって逃げるフローライトを、俺はまた追いかけた。

ようやく追いついた俺は、フローライトを壁際に追い詰めた。


(俺がまるでいじめているみたいじゃないか)

そういう気分にさせてしまう。だからもっと優しく語りかけた。


「フローライト!なんで逃げるんだい?」

「……い」

語尾だけかすかに聞こえた、フローライトの言葉はやはり聞き取りにくい。


「どしたんだ?」

「……で!」

明らかに俺に対する拒絶反応が出ていた。

こういう時はゲームだと選択肢が出て、行動することが分かるのだがそれもない。

そんなとき、フローライトは初めて俺の方に顔を向けた。

クラスのアイドルとしての美少女な佳乃。

いやフローライト、かわいく大きな瞳で俺を見ていた。


(これは……何かをタッチするシーンか?)

タッチペンを持ちながら俺はじっと考えながらフローライトのアップを見ていた。

裸のフローライトは当然のことながら胸を両手で隠していた。

顔も赤いし、目はこちらに向けていた。

とりあえず、彼女の頬のあたりをタッチしてみた。


「あっ……やめて!」

ピクンとかわいらしく裸体を揺らした。

このセリフははっきり聞こえたし、彼女がかなり怯えていた。

すぐに逃げる様子はないので、間違っていないなと俺は仮説を立てた。

そんな彼女の表情を見て俺は少し気になった場所を見つけた。


それは額だ、タッチすると会話が発生。

「おでこ、赤くない?」

「えっ、赤い?」

初めてフローライトがまともな言葉を返してきた。拒絶以外で、逃げる様子もなく。

さらに彼女のおでこを優しくタッチした。優しく撫でるように。

タッチされると彼女の顔が赤くなる。


「あっ……ごめんなさい」

「なんで謝るんだ?」

「私が……迷惑じゃないかと……」

言っている意味がよく分からないが、申し訳なさそうなフローライトの顔があった。

さっきまでの怯えていた顔より、かなり沈んだ顔に変わっていく。

怯えているよりはいいが、暗い美少女の顔はやはり苦手だ。

そんな俺の目の前にはフローライトの艶やかな肌が見えた。


「とりあえず、何も着ていないから」

恥ずかしくなった俺は、素早くアイテムボックスを開いた。

フローライトが急に逃げないように注意を配りながら。

だけどアイテムボックスにあったのを見て、俺は思わずツッコんでしまった。


「なんでブルマ体操着なんだ?」

他に着せる物もないのでフローライトにブルマ体操着を着せた。

ブルマって……一体なんだ。と思いながら着せると、ブルマ体操着を着たフローライトがそこにいた。

俺に少し慣れたのか、フローライトはじっと俺を観察していた。

どうやら下半身のパンツみたいのが、ブルマというのだろう。


「これ……妙にエロくない?」

「やっぱりみっともないですね、脱ぎます脱ぎます!」

「わわっ、脱がなくていい。今はそれしかないから。後で服は買おう!」

「……はい」

フローライトが勝手に脱いでも、他に着せる服がない。

そうしたらつややかで胸も結構大きい彼女の裸体を……いやクラスメイトの裸を見て喜ぶほど下世話ではない。

ここは彼女にはブルマ体操着で我慢してもらおう。


「フローライト、ちょっと覗かせてもらうよ」

「……ダメです」拒絶のフローライト、だけど俺は体操着の中にはほんの少ししか興味ない。

「ごめん、パラメーターね」

俺はそう言いながら、フローライトのパラメーターを見ていた。

パラメーターを見ては、「すごい」と声が漏れた。


(高い……さすが特進クラスのアイドル。

文系96、理系93だ。マナーも90、カリスマも95って一体いくつ90越えがあるんだよ。

ほとんど80台90台って神パラメーターだ。

弱点らしいところは……運動系というより生命力だな29)

などと俺がパラメーターに注視していると、フローライトは再び逃げ出そうとした。

それを素早く俺が手を引いて、引き留めた。


「待って、手芸66!」

「私は6が嫌いです、偽っているようで」

逃げながらもフローライトは必死の一言で俺に返してきた。

それでも逃げ出そうとするフローライトは戻ってきた。


「6?佳乃も言っていたけどなぜ?」

「6は愛情の6ですから」

フローライトはようやく逃げるのをやめて俺に話しかけた。

その顔はどこか曇っていたが、こっちに振り向いてくれたのは収穫だ。


「愛情の6か」

「愛情です、私は愛情を受け過ぎてこうなってしまったんです」

「えっ?意味が分からないんだけど」

俺が言うが、それを察してかフローライトがまた離れていく。

その顔はとても険しかった。


「どうせ私なんか、愛に応えられません。そんな力もありませんから!」

結局フローライトはこの部屋から、ブルマ体操着のまま逃げるように出て行った。

俺は青い部屋をじっと見ながら考えていたが理解できなかった――



ゲーム画面から離れて、自分の部屋の天井を見ていた。

自分の部屋、いつも通りの学習机がDSPをやるポジションの一つだ。

携帯ゲーム機だからどこでやっても変わらないが、ここでやるのが一番落ち着く。


そんな時、俺の自室の部屋のドアが開いた。

「お兄様、おりますでしょうか?」

そんな言い方をする奴はあまりいない。だから俺は一人の人物を想像した。



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