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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
七話:秘密のお茶会とフローライト
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それからいろいろあって俺はパソコン音楽部の部室に戻った。

結局佳乃の件を処理することで既に夜八時だ。

後一時間ほどで学校が完全に閉まる。俺は遅れたボイカロイト製作を急ピッチで進めていた。

この部活には顧問はいるけど、おそらく帰っているだろう。

部長は少し遠くの給湯室で、今頃カップめんを食べているはずだ。


(一時間か)

時計を見ながら、俺がパソコンに向かっていた。

部長はどうやら出かけていていない、カバンがあるので戻ってくるだろう。

そんな俺はそばに置いてあった指輪を見ていた。


(佳乃は何を隠しているんだろうか?)

だけど、逆に言えば佳乃は本音で話したことがない。

さっきビニール袋を持って帰った時、教室には誰もいなかった。

つまり佳乃は俺に嘘をついていたのだ。


佳乃には考えてみれば俺はいくつも騙されていた。

頼んだストーカーも本当は部長だったし。

佳乃の純粋さ、天然そうな雰囲気に俺は二度も騙されたのだ。

だけど一つだけ分かったことがあった。


(彼女は弱い……体が)

弱い女に男は弱いという事か。皮肉なものだ。

ただ一つだけDSPと指輪があれば彼女の本音が聞ける。

それは彼女を覗くことだ。

つまりこれは、ジュエル☆クイーン♡スクーリングのゲームに参加させること。


始めは面白いだけだった。

知っている人間がパラメーターの様に出てくる。

人間が数字の様に評価されて、それを俺は教育することで導いていく。

だけどそれには本人の問題があって、プライバシーもある。


(俺はどうしたい?)

自分に問いながらパソコン画面にいるGCキャラ『KUNI』に呼びかけた。

相変わらず同じ動きを見せたKUNI。同じ声と同じ場所で同じような笑顔で踊っていた。


(佳乃を知りたいのか……佳乃の闇を……)

そんな俺の中には、何か開いていたように見えた。

そこにいたKUNIは『あなたは好きにすればいい』とそう歌っていた。

これは俺が歌詞をつけたものだ。

純花をイメージしてつけた歌詞を、CGツインテールのKUNIが歌う。

機械音の感情のこもらない声で。


(そうだな、好きにすればいい……か)

そんな俺が振り返った先には、俺の気持ちを察してか佳乃が来ていた。

佳乃は俺に対して真っ黒なコートを持っていた。

どうやら俺にコートを返しに来たようだ。


「菅原君、あの……」

意を決した俺は、佳乃の方に振りかえっていた。

そこにはしっかりとあの指輪が握られていた。


「ああ、佳乃か。実は君に渡したいものがあるんだ」

そう言いながら俺は決意をした。

持っていたのは最後の女王候補、フローライトの意志の入った指輪。



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