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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
七話:秘密のお茶会とフローライト
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翌日、俺は早く……七時には学校に来ていた。

部室に向かうが……部室は空いていた。

パソコン音楽部の部室は朝から一人先客がいた。

その先客は、俺が昨日の夜メールで挨拶をした人物だ。


何より俺のそばには部長がいた。

学生服を着た背の高い部長は座高も高い。

いつも通り真剣な顔つきでパソコンと向き合っていた。

俺が「おはようございます」とあいさつをするが、いつもの反応がない。

ヘッドホンをつけていたので、CGのKUNIをじっと見ていた。

俺は部長の隣に座ろうとしたとき、俺に気づいてヘッドホンを外して俺を見てきた。


「菅原、どういうことだ?」

いきなり声をかけてきた、やはり少し怒っている様子だ。


「部長、すいません」

「すいませんですむか!」

部長は俺を見るなり、険しい顔を見せていた。

明らかに不満で、怒りに満ちているようにも見えた。

何気に背も高いから迫力もあった。


「佳乃は狙われているんだ、黒づくめの男に」

「そうですか?そうは見えないんですが?」

「いいや、佳乃はとてもかわいいからな。

かわいい佳乃を拉致して、好きにしようとする悪い輩がいるのだ。

人の多い町中はとても危険だぞ」

「まあ、佳乃はかわいいのは認めますが……」

「というより菅原!なぜ名前で呼んでいる?」

伊勢ヶ崎部長は、腕を組みながら俺のことを睨んでいた。

不満そうな顔で、俺の方に身を乗り出してじっと見上げていた。

俺と部長の間に険悪な空気が漂う。


「えと……佳乃が」

「気安く呼ぶなっ!」

伊勢ヶ崎部長は机を激しく叩く。

そんな伊勢ヶ崎部長の言葉に、それまで押されていた俺は今までの想いを爆発させた。

目つきを鋭く部長を睨む。


「それが、おかしいんじゃないんですか?」

「なんだと!」

「佳乃は……俺のクラスメイトです。

クラスメイトが名前で呼ぶのはおかしくないし、部長が佳乃を街中でつけるのも変です。

佳乃のことが大事なのも分かりますが!」

「当然だ、できれば佳乃を家の外から一歩も出したくない」

「だったら、佳乃のことも……」

「考えている、佳乃は俺の意見に同意している!」

自信たっぷりに言っていた伊勢ヶ崎部長。妹のことになるとことさら熱くなる。

俺は当然のことながら問い詰めていく。


「でも昨日彼女に聞きました。彼女は同意なんかしていない」

「いいや、同意している。佳乃は俺がいないと何もできないんだ!」

「佳乃さんはもう高校生です!子供じゃないんですよ」

「それは関係ない、佳乃はいつまでも脆弱でとても弱いんだ!

だから俺は必要で守ってあげないといけない!」

そう言いながら伊勢ヶ崎部長は、俺に病院の診察券を見せてきた。


「なんですか、これは?」

「佳乃は体が弱い。呼吸器系、肝臓、脳にも障害がある。

過度な運動ができないんだ、だから佳乃は今もか弱いんだ」

「確かに……」

俺は思い当たる節があった。

一年も二年も同じクラスだけど、佳乃は体育をよく欠席していた話をクラスの噂で聞いていた。

だけど、そんな貧弱さがアイドルっぽく男子たちの幻想を作り上げていた。


「だから兄として俺は妹を守るのは当然なんだ」

そんな風に言われてしまうと、俺は伊勢ヶ崎部長をこれ以上非難できなかった。

それは、戸破と俺の関係にとても似ていたから。



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