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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
七話:秘密のお茶会とフローライト
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次の駅で俺は純花と降りた。

もちろんつまみ出された部長も出されていた。

さすがに格闘が高い純花に、部長でも対応できそうもない。

俺は遠くで見つめようとしたが、純花に連れて行かれた。


そしてついたのが、オフィス街。

部長も抗うが、純花にすぐさま右腕を取られてなす術がない。

おののく部長を、オフィス街のビルの裏に連れてきた純花。


「早速だけど、説明して頂戴」

純花が腕をつかんで部長を軽く放り投げた。

「くそっ、なんだ暴力女」

「誰が暴力女ですって?」

純花はそう言いながらすぐさまプロレス技をかけてきた、コブラツイストだ。

大柄の部長は純花になす術もなく純花に体を絞め上げた。


「ぎ……ギブ……」

「許さないわ、あたしを暴力女にした想い……」

純花はさらに部長の細身の体を絞め上げた、骨がボキッと今にも折れそうだ。

当然俺は純花を止めるしかない。


「純花……やめないか」

「ミツノマルは黙って!」

純花はどうやらかなり怒っているようだ。

部長の顔がだんだん苦しくて赤くなっていく、額には血管が浮き出てきた。

呼吸を止める純花の得意技だ。かなり本気で純花が締めていた。


「クソッ……このままだと」

「さあ、話してもらおうか。なんでストーカーをしているのかを答えなさい!」

「違う、ストーカーなんか……」

「ストーカーでしょ、どう見たって」

「俺は……決っして……」

「もういいだろ」

俺はさすがに純花のコブラツイストの手を強引に解かせた。

それでも部長は、純花に絞められて顔色の血の気が引いていた。

息が見る限り苦しそうなのが分かる、俺も経験があるからな。


まあ、これほどまでに鼻息荒い純花は確かに珍しい。よほど純花の怒りに触れたのだろう。

にしても部長はきっと俺より格闘パラメーター低いな。

いくらなんでもここまで呼吸困難に陥ることはない。


「さすが、純花のコブラツイストだ」

「違うわよ、『アヤカ・ストレッチ』よ」

名前までつけているのか、なんていうプロレス女だ。

これなら暴力女というのも頷ける、さすが格闘98なだけはある。


「部長はどういうつもりで実の妹を?」

「当り前だ、悪い男がつけているからな」

「あんたの方が十分怪しいわよ」

腕を組んで純花が言うが、確かに端から見るとそう見える。

すると、再び純花が部長の肩を掴んできた。


「さっさと本当のことを話しなさい。さもないと今度こそあばら骨をいっちゃうわよ」

「そ、それはヤメロ」

おののく部長、純花の恐ろしさを知ってしまってすでに戦意喪失だ。

だけど純花が首に腕を回す。素早い動きで、部長からあっという間に背後をとった。


「あんた、臭いからあまりやりたくないんだけどね」

そんな時、一人近づいてくる足音が聞こえた。


「あの……すいません、お兄ちゃんをそんなにいじめないでください」

そして出てきたのが佳乃だった。

その時の佳乃は心配そうな顔を浮かべていた。



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