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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
七話:秘密のお茶会とフローライト
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いきなり怒声が俺に浴びせた。

「デレデレしているんじゃないわよ!」

すぐさま、俺はほっぺを引っ張られた。純花が俺に対して手を出してきたのだ。


「純花っ!」

「最近、デレデレして、ニヤニヤしてミツノマルいるからつけて見たらこういう事ね。

やっぱりあの時からつき合っていたのね、変態!」

「ええっ、何を言っているんだよ純花」

「問答むよ……」

そのまま俺は純花のヘッドロックの餌食になった。

純花のヘッドロックは、技として完成されていて簡単に抜けることがない。

俺の頭を容赦なく締めつける。


「ストップストップ!」

「言い訳は聞かないわ!」

久々のヘッドロックは磨きがかかっていた、タップしても簡単にほどいてくれない。

それを見た男子たちは、純花の味方だ。『やれやれ、女たらし』と声援が純花に送られた。

純花は笑顔で男子たちの声援に応えた。


「純花……俺が悪かった」

「何が悪いのよ、全然悪くないわ」

「じゃあ、悪くないなら外してくれ」

「うるさい、あたしは絶対許せないの!」

悪くないのになぜかヘッドロックを外してくれない。

右腕にしっかり力を残したまま、俺の頭をさらにきつく締めつける。

これでは呼吸もかなり苦しい。


「純花、みんなが見ているって」

「問題ないわよ。それより今週の日曜は開いているでしょ」

「いえ~、それが空いていないんです~」

そう言いながら、出てきたのは佳乃だった。

佳乃の登場で運よく純花はヘッドロックを外した。

佳乃の登場に合わせて、俺はクラスの視線を一気に集める形になっていた。


「えと、あなたは伊勢ヶ崎さん?」

「はい、『伊勢ヶ崎 佳乃』っていいます~。よろしくお願いしますね~」

相変わらず、天然風なゆっくりとした喋りの伊勢ヶ崎さ……じゃなくて佳乃だ。

純花の割と大声張り上げる喋り方とは対称的だ。


「それより、日曜空いていないってどういう事?」

「それは言えません、私と菅原君との秘密です」

「ちょっと……」

佳乃の言葉はさらに誤解を招く。純花の視線が、男子の視線が一気に俺に向けられた。

完全な敵意だ、榊や不良たちを思い出して背筋が凍る思いだ。

確かに秘密にした方がいいけど、さらに純花の心に火をつけたのは間違いない。

当然純花は納得できない……だと思った。


「ふーん、そう言う事情があるなら仕方ないわ。

どうやらその様子だと伊勢ヶ崎さんと一緒でしょ、ミツノマル」

と純花が俺に聞いてきた。腕を組みながら、距離をとった俺のことを睨んでいた。

よかった、ここでは襲ってこないみたいだ。


「えっ……まあそうだけど」

「だったら、あたしも連れて行きなさい。それなら問題ないでしょ」

「はい、構いませんよ」

それをいともあっさり了承したのが佳乃だった。

そんな佳乃に対して、純花はなぜか不敵な笑みを浮かべていた。


「だってあたしは、ミツノマルの彼女だから。腕が鳴るわよ」

純花の一言で、俺は体が震えていた。強張った顔で佳乃を見ていた。

「いいの……か?」

「はい、構いませんよ。宿坊さんの格闘能力は、むしろ役に立ちますから」

それでも微笑んで佳乃は、拳を鳴らす純花を見ていた。

楽しみから一転、俺は日曜を迎えるのが憂鬱になってしまった。



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